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健康危機応援部発足の事情

いくら「こうしたほうがいいんじゃない?」と心配して、アドバイスをしても、やるかやらないかを決めるのはその人次第。

また夫がダイエットを始めるという。もう、何回目か分からないけれど、今回は夫自身「やらなくちゃ」と気を引き締めている、らしい。

夫は私と結婚してからの10年で、10キロ以上太った。全体的にぽっちゃり、というわけではなくて、おもにお腹周りがどんどん育っていった。

テレビ番組で上半身裸になっている芸人さんを見ては「あの人くらいお腹出てる?」とか、「あれほどは出てないよね」などと、比較しても仕方ないことを聞いてくることも多い。

夫はいつも「あーゴロゴロしすぎて太ったなあ」とか「食べすぎちゃった」などと言うものの、太ったことに対してとくに罪悪感というか「太ったところでなにがいけないの?」というスタンスだった。

しかし、今回は健康診断で「肝機能・要精密検査」と表示されていたことで「やばいかもしれない」と騒ぎ始めた。体重は80キロを超え、少し前に購入したズボンがぴちぴちで苦しそう。腹囲は90センチと表示されている。しかし、夫としては、そこまで太る要因が分からないと言い張っている。

もちろん、こうして太るには理由がある。夫はたくさん食べるのが好きで、いつだって大盛、いつだって味付けは濃いめ、いつだって腹十二分目。食事は各自で好きなものを食べるようにしているため、わたしも少し申し訳ない気持ちもある。仕事のリズムがまったく違うので、一緒に食事をとる機会が少ない。

じゃあ、夫のためにと作り置きのおかずを用意しておいても「早く食べないと腐るでしょ」と言う。二、三日分くらい食べられるかなと考えているものでも一日で食べきってしまう。冷蔵庫のなかを見て、目についたものは食べる、というのが夫のスタンス。おかずの作り置きは、夫のためにはならないかもしれないと思い、作り置きのおかずも時々しか作らなくなった。

そうしたら、夫は本当に好きなものばっかり食べるようになった。ラーメンの残った汁にご飯をいれておじやみたいにしたり、野菜炒めをつくっても「味が薄い」といって焼き肉のたれをたっぷりかけたり。それはどうかと思うよ(からだにわるいんじゃない?)と、わたしが言ったところで「でも、美味しいから食べたいんだよね!」とにっこり笑って言われると、「ああ、そう」としか言葉を返せない。

運動にしたって、わたしは最近(少しさぼり気味だったけれど)自宅で筋トレまがいの運動をしている。その運動を見ては鼻で笑い、「そんなにがんばって、しんどいだけじゃん」などという。「わたしがしたいんだから。ほっといて」といってもニヤニヤして、邪魔してくることすらある。

夫は精密検査を受けるまえに、普段通っている内科医に相談しにいった。「精密検査も何も、あきらかなる脂肪肝。検査を受けるまでもない。とりあえず10キロ痩せてみて、そこで血液検査したら結果はちがってきますよ」と診断され、しょんぼりと帰ってきた。

「これから先も、美味しいものを一緒に食べられるように、食生活も運動も見直したほうがいいよ」と伝えると「そうだよね」といいながらも、ふてくされていた。

アドバイスしているわたしだって、夏に比べると2キロくらい体重が増えてしまった。筋肉が増加した、とは思えないので単純に太ってしまったのだろう。夫はひとりで運動するのは飽きてしまうから、一緒に歩いてほしいなどと言っていた。「何を甘えたことを」と、相手にしていなかった。けれど、わたしも少し体重を絞ったほうがよさそうだ。一緒に歩くのはどちらか一方に歩く速度を合わせる必要があるから、あまり良い案ではないと思っているけれど。

夫の健康管理は、はっきりいって夫自身にしかできない。四六時中そばにいるわけじゃないし、仕事の都合上、一緒に夕飯を食べるのも週に1度か2度しかない。いくら家で節制した食事を作っていても、夫が会社帰りにこっそり買い食いしたら、わたしはどうすることもできない。とはいえ、この先も「美味しいね」と笑って食事ができるよう、気長にダイエットできるよう、応援していきたい。




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