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習いながら慣れろ

習うより慣れろ、ということわざがある。

物事は、人に教わるよりも自分で直接体験してゆく方が身につくということ。 広辞苑 第七版より

確かにその通り。教科書に載っていることを読んで、暗記しているだけでは、知識としては役立つかもしれない。家庭科の教科書を読んで、みじん切りとか、いちょう切りとか書いてあることはわかる。けれど、じゃあ実際にすぐにできるかと、思うように包丁は動かせないかもしれない。イメージはできるから、イメージトレーニングはできるかもしれないけれど。

スラムダンクの桜木花道もレイアップシュートを体得するために、体に覚えさせるために、繰り返し何度も練習していた。

ただ、やみくもにやってみるのもいいけれど、教えてもらってもいいんだと思う。なんでも自分でやってみろ、というのもわかる。けれど、すでに確立されている技術の場合、一度でも「教えてもらう」というのは意外と習得するための近道かもしれないなと感じた。

先日、着物を自分で着れるようになるため、カルチャースクールでの体験講習を受けてきた。

ここではチケット制で様々なスクールが開催されている。着付けに関していえば、一人でとりあえず着られるようになるには全8回の講座を受けることになる。フォーマルな着物を着る場合とか、着姿が綺麗に見えるようにとかは、また別の講座を受ける必要があるのだけれど、まあそれはおいおいだろう。

約1時間の体験コースを受けてみて、「あ、思ってたよりも簡単そう」と思うところもあった。簡単そう、というか、イメージしていたよりもややこしいものじゃないというか。もちろん「あー、これは直接教えてもらった方が早いだろうな」と思うところもあった。帯の結び方はまさにそれ。イメージはできるけれど、実際にどんな風に手を動かす必要があるのかわからなかった。お腹で作ったものをグルンと後ろに回すわけじゃない。背中であれこれ手を動かさなくっちゃいけないのだけど、どのタイミングで、右手・左手をどの位置に置くか、などをある程度教えてもらえるのだから話が早い。

もう少し私自身に着物を着ている経験があれば、おそらく体験教室だけでも習得できるんじゃないかと思えるほどだった。やっぱりそれは、「慣れ」が重要。

自宅に帰ってきて夫に話すと、「家でも着物着ればいいんじゃない? それは、慣れるのが一番重要でしょ?」となんのことなく言い放っていてた。おむかえに住んでいるおばあちゃんは華道の先生で、時々着物を着てらしたことも「着物=日常的に着てもいい」が夫の価値観になっている。おむかえのおばあちゃんに教えていただければよかったのだけど、今ではそれも難しい。

着付けに限ったことではなくて。習うことと、慣れることを同時におこなえるのであれば、それに越したことはない。習ってわかったような気になるだけじゃなく、自己流でぐちゃぐちゃやるのでもない。基本を教わった上で、どんどん慣れる。もしかしたら、これができるのが一番手取り早いのかもしれない。

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