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さあ、サーカスは次のまちへ。

1月19日から世田谷文学館で開催されていた「ヒグチユウコ展 CIRCUS」が3月31日で閉幕した。

原画の展示だから、閉幕という言葉は違っているのかもしれないけれど、「サーカス」と名付けられた展示だったため、閉幕という表現がぴったりな気もする。

わたしは開催されてすぐ、一月の終わりに一度足を運んでいた。まるまる二ヶ月以上の展示期間があり、「もう一度行こうと思うけど、期間はたっぷりあるし、いつでもいける」と思っていた。

しかし、結局のところ一月に一度足を運んだきりで、世田谷文学館へ伺うことはできないまま、サーカス団は次のまちへと移動することになった。

すごく凝ったつくりで、その空間に足を踏み入れた瞬間に、観客は魅了されて絵の虜になってしまう。

ひとつの絵の前に立ち止まって、動けなくなってしまったり。絵本の原画もたくさん展示されていて、すでにその絵本は手元にあるのに、涙ぐんでしまったり。かわいい絵もあれば、ひやりとっすじが冷たくなるような絵もある。

観客たちは、次から次へと移り変わる演目から目が離せない。絵の創り出す世界に圧倒され、ぽかんと口を開いたまま、どこか別の世界に迷い込んでしまったように感じるのだ。

世田谷文学館での展示は残念ながら終わってしまったけれど、サーカスは日本各地を移動して、その土地ならではの趣向を巡らせて人々を魅了し続けるだろう。

今後の巡業先としては以下の通り。

兵庫会場:神戸ゆかりの美術館 2019年6月15日(土)〜9月1日(日) 広島会場:奥田元宗・小由女美術館 2019年9月12日(木)〜11月4(月)    静岡会場:佐野美術館 2019年11月9日(土)〜12月22日(日)    高知会場:高知県立文学館 2020年2月1日(土)〜3月29日(日)  *その他の巡業先も順次公開予定

東京会場ならではの展示が終わってしまうのはさみしい。けれど、サーカスの一団は日本各地で、会場によって違った表情を見せてくれるに違いない。


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