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分別のできる大人になりたい

もうずっと心に引っかかっていたことがある。いつかやらきゃなあと思って、思って、ずうっと思っていておそらく5、6年は放置していた。

それは「傘を捨てる」というもの。

わたしが住まう地域では、ごみの分別がややこしい。細かく分類されているわけでもないので、単純にわたしが苦手なだけだろう。

不燃ごみ・可燃ごみ・缶ビンペットボトル・プラスチック・資源回収。この5パターンに分かれているのだけれど「資源回収」ってやつがとてもやっかい。

資源回収には、新聞や雑誌などの古紙や段ボールと、衣類。これらは、一般的かなと思う。さらに加えて「小さな金属」とか「蛍光灯」なども資源回収扱いとなる。

たとえば鍋を捨てる場合は不燃ごみじゃなくて資源回収の日に出す。

そもそも「小さな金属」という分類がややこしい。びっくりするのは自転車も「小さな金属」として引き取ってくれる。しかし、ゴムタイヤは外さなきゃいけないし、いろいろと細かく規定されている。

さらに2020年から、ごみの分類方法が変わってしまった。不燃ごみ、またはプラスチックごみとして出していたものが「可燃ごみ」で出していいことになった。これがまた難解で、「えっと、プラの表示があるからプラスチックごみでいいんだっけ?」とごみの分別一覧表にてらし合わせてみると「可燃ごみ」となっていることもしばしばある。

最近捨て方を迷ったものとしては洗濯ばさみがたくさんぶら下がった物干し。(ピンチハンガー、または角ハンガーと呼ばれるらしい)素材はプラ、洗濯ばさみがぶら下がっているけれど、その接続部分は金属が使用されている。

不燃ごみっぽいのに、金属が使用されているため「これは資源ごみだろうか?」と悩む。冊子タイプの分別一覧表には記載されていないので、個別に調べなくっちゃいけない。捨てるに捨てられず、一か月くらい放置した後、ようやくネットで検索し「可燃ごみ」であることが判明。ようやく捨てることができた。

さて、件の傘である。

傘を捨てるには、骨の部分とビニール部分を別々に分けなくっちゃいけない。安いビニール傘は、放置していた時間が長かったせいかビニール同士がくっついていてバリバリッと剥ぎ取ると、ぱらぱらと散らばりながら骨部から外れた。散らばったビニールは慌てて拾い集める。

すこし丈夫な傘は、ビニール部分と骨の部分が糸で括りつけられている。何か所もあるため、ハサミで糸を切って外していく。

外したビニール部分は、これまた可燃ごみ。骨の部分は「小さな金属」なので月に二回しか捨てるチャンスのない資源回収に出すことになった。

傘を分解するのは、やってみると思いのほか簡単だった。けれど、「傘を壊すなんてとんでもない」と、罪悪感のようなものがあったせいで、おそらく5,6年はずっと捨てられないままでいた。夫が捨ててくれればいいのに、夫も分別をめんどうくさがって見て見ぬふりをし続けていた。わが家には夫婦二人ともがめんどうで、見て見ぬふりをしている作業がけっこうある。

ぱっと見ただけで「これは何ごみ」と分かっていれば、悩むこともないのだろうけれど。「分別のある大人」よりも、「分別のできる大人」になりたいものである。



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