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Family Song

「仕事終わったら連絡ください」
ものすごく嫌な予感。
実家の猫が亡くなった。
15年以上生きた長寿猫だった。

6年半前、実家を出た時に「いつかそのときは、看取れないだろうな」と腹を括ったつもりだけど、なんだかいまだに実感もなくて、よくわからない。
仕事したり家事したりするときは考えなくていいけど、ふとした途端に頭に浮かんで、もう会えないと思うと悲しくてさみしくてつらい。

十何年前、手のひらに乗るぐらい小さい時にうちに来て、すぐ体調悪くなって生命の危機だったけど、必死でミルクやらお薬やら看病したのを鮮明に思い出す。

実家に居た頃、爪を切るのはわたしの仕事だった。爪を切るとわかると逃げまくるのに、切り始めた途端大人しく切らせてくれたな。

めちゃくちゃツンデレで、わたしが実家に帰ると「お前なんでおるの?」という顔で見下ろしてきた。

嫌な時は一目散に逃げるのに、
わたしがかなしいとき、手を伸ばせばふわふわの毛を触らせてくれて、言葉は話せなくても黙って、わたしを赦して包み込んでくれた。

彼のお日様みたいな匂いを嗅いだら、大抵のことはどうでもよくなった。

ふわふわの毛と、綺麗な毛並みと柄、ぜんぶぜんぶぜんぶ、だいすきだったな。
いっぱいいっぱい心配と迷惑をかけてごめんなさい。わたしを生かしてくれてありがとう。

今日は休みで、星野源のFamily Song聴いてたら涙止まらんくて。
彼がわたしにそう歌ってくれたと都合良く解釈して、明日からの糧にするよ。
身体はなくなっても、魂はわたしのそばにいてね。ぜったいだよ。

彼はしあわせだったかな

そればっかり考えてしまうけど、どうか向こうでも、走り回って楽しく過ごしてくれたら。ずっと願う。

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