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ブルーピリオド15巻読んで号泣した話






学生時代は結構漫画は読んでいたのですが、社会人になってから縁遠くなってしまっていました。
そんな中、唯一全巻揃えている(電子だけど)作品がブルーピリオドです。

漫画とかアニメ、ドラマもそうですが先が気になり過ぎて一気見してしまうタイプなので、14・15巻の八雲編(?)が終わるまで寝かせて読んでいませんでした。


しかし数日前、気が向いたので積読していた14・15巻をふと読んでみた。





自分でも引くほど号泣。





正直八雲の過去編を読んでもそこまで感情移入はしていなかった。
純粋に八雲が貧しい環境の中、美術にのめり込み、才能を開花させて行くのは主人公のようでワクワクする気持ちで見ていた。

八虎にとって世田介を無意識に敵わない存在として見ているように、八雲にも無意識に意識し続けていた存在がいたんだなと思った。

そういった作者が亡くなってから作品が評価され、作者の意図とは異なる展示のされ方をするのも真田さんという存在を通して描かれていて興味深かった。

今美術館で展示されている作品もきっと作者の意図とは違う紹介をされていたり、残された周りの人間も八雲のように苦い思いをしている人が必ずいるんだよなぁと。

作家についての取り巻く環境や残される人間の想いをこうやって漫画にするのはすごいなと、ここまでは授業を受けているような感覚で客観的に読んでいたような気がする。

だが、真田さんの死と向き合い立ち直ろうとしていた八雲への世田介の言葉に一気に視点が引き寄せられた。






『なんで立ち直らなくちゃいけないの』

『その悲しみを一生背負って生きてもいいんじゃないの』






気づいたらボロボロ泣いていた。

ブルーピリオドってこういうとこ本当に好きだー

大人になりきれない人間を責め立てて、自己嫌悪させて、向き合わせて昇華させていく。

歳を取れば取るほど、子供っぽさを揶揄されるようになる。

でもそんな苦くて青い感情すらも宝物のように描かれていて、読んでいて苦しくもなるけどそれ以上に心が溶きほぐされる。

それまでは美術の漫画として読んでいたのを急に引っ張られるように当事者の目線になっていた。

別に全部を受け入れなくてもいいんだよな、悲しいことを悲しくないように見せる必要もない。

八雲と一緒に世田介の言葉に泣いていました。

この言葉も世田介だからこそ出た言葉だったんだと思う。

彼も未だ子供である自分の情けなさや、大人になることの残酷さを気づき、それでもその時感じた自分を否定したくないと思ったからこそ、慰めや優しさではない八雲を肯定する言葉を投げかけられたんだろうなと思いました。






一年生の時の世田介の話が一番好きなのですが、八雲の話もそれに迫らんばかりに好きな話でした。

15巻で一旦話の流れが終わったので次はどんな話なのか楽しみです。

久しぶりに読み返して再燃してしまうかも。



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