365日後にクビになる教師#35
さて、昨日は小学校でも教科担任制が進んでいるという話を書いた。
教材研究の負担が少なくなるという点で教科担任制は賛成なのだが…ひとつ困ることがある。
それは…自分の専門ではない教科や自分の苦手な教科の専科になることがある、ということだ。
中学校や高校の教員なら絶対にあり得ないこの現象、理由は小学校の教員免許にある。
中学、高校の教員免許は教科ごとに分かれている。だが、小学校の教員免許は教科は関係なく、ひとつである。
小学校の教員はだいたいが、中学や高校の教員免許も持っているので、専門教科はその中学、高校の免許の教科である。
自分の専門教科を専科としてじっくり教えられたらラッキーで、大抵は自分の専門教科ではない教科を教えていることが多い。
私自身も専門教科を教えたことはほぼない。何のために中学、高校の教員免許を取ったのか…と何度も思った。
以前勤務していた学校で、ふと職員室を見回すと…私の隣の席の理科専科の先生、実は専門は英語である。そして私自身、専門は音楽であるが、当時は算数専科として算数の授業を受け持っていた。
その時の学校の英語や音楽の先生方は、英語や音楽がもちろんご自身の専門の教科である。
その状況を見て、同僚の先生が「私達、インチキ教師だね。」と言っていた。
インチキ教師、ネーミングが面白い。確かに専門外で知らないことも多々あった。ちなみに私は学生時代は数学が嫌いであったが、子ども達には絶対に言えない。
だが、その当時私は算数専科も4年目、しかも学級担任時代も含めると、算数は教員生活でいちばん多く授業をしている。もはや専門の音楽より長い。
そして、若手に算数の授業の仕方を教えたりすることもあった。
インチキも長年やっていると本物になるのでは?とも思った。
よろしければ、サポートをお願いします。いただいたサポートはピアノの演奏活動やミュージカルコンシェルジュの活動、ピアノサロンやコーチングセッションのための活動費として使わせていただきます。