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40歳男性、バク転に挑戦中

40歳になって、新しくチャレンジすることが減った。
会社と家との往復だけとは言わないが、あまり変わり映えしない毎日だし、積極的に変えようとする意識もなかった

でも、昨年メンタルが一時的に不安定になって、首の凝りもひどくなり、会社を1ヶ月休んでから、自分が歳をとったことを強烈に意識した。

幸い、その後メンタルも体調も回復して、普通に過ごせている。前はそれが当たり前だと思っていたが、今はとてもありがたいこと、そしていつか失うものと思うようになった。

10代、20代からすれば40歳はだいぶおっさんだろうが、まだ身体は動く。無理はできないが、運動するのにまだ支障はない。
今のうちに、運動関係でやりたかったことをやろうと決意した。
それがバク転だった。

これまでバク転にチャレンジしたことはなかったが、憧れがあった。筋肉質ではあるので「練習すればできるんじゃないか?」とはなんとなく思っていた。チャレンジするのは今だ。バク転は、歳をとればとるほど難しくなるだろう。
早速、ネットでバク転を教えてくれる教室を探して、通い始めた。

久しぶりに本格的に運動する。最初は、準備運動、ストレッチの段階で「痛たた」と声を出していた。部活をしていた学生の頃では考えられないくらい、体が曲がらない。最初から不安でたまらなかったが、通うにつれて体も少しは柔らかくなってきた。

指導してくれる先生は優しく、ポジティブな言葉をかけてくれる。良い感じに言ってくれるので、「いつかできるようになるかも」と気持ちも高まってくる。
でも、スマホで撮影してもらった、補助付きでバク転する自分の姿を見ると落胆。ジャンプは低いし、体はバラバラ。お手本で見せてもらった先生のバク転とはまったく違う。動画で見ると、自分の足りないところがよくわかる。

練習するにつれて、バク転ができない根本的な原因は恐怖心だと感じるようになった。そもそも後ろに高くジャンプしようとしても、体がジャンプをセーブしている感じがする。
先生からも「筋肉やジャンプ力は最低限のラインはクリアしてます」「いざバク転をしようとすると、普段のジャンプより全然飛ばなくなってしまう」と指摘された。
頭で考えれば考えるほど、体がかたくなってしまう。「こわい」と思って、足の踏み切りが弱くなるのだ。

しばらくその恐怖心と戦いながら練習してきて、だんだん踏み切りが強くなってきた。怖いとはいえ、少しずつ慣れてきたのだろう。

自力で飛ぶ流れができてきたので、先生の補助も楽になったようだ。まだ始めたての頃は、完全にお姫様抱っこ並みに支えてあげないと回れなかったが、今は支える負担が減ってきたらしい。

進歩はしている。でも、まだ怖い。

ただ、バク転の練習は楽しい。シンプルに集中するので、子供の頃に無我夢中に遊んでいた時に戻ったような気持ちだ。
チャレンジでもあるので、自分が少しずつ進歩しているのを感じるのも良い。

バク転を成功させたい。でも、成功できなくてもいい。バク転にチャレンジして充実した時間を過ごせているだけで、去年の自分からは成長したことを実感できている。

今後も、練習するときは真剣に、でもあまり自分を追い込まずゆるいスパンでバク転に挑戦していきたい。

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