東京藝大美術館の展覧会 日本の至宝の数々に圧倒された
夏休み4日目は台風一過の青空の日曜日、朝一で上野の東京藝術大学大学美術館の展覧会に行きました。
これまでこの美術館には無料で入館できましたが、今回は2,000円。高いなあと思っていましたが、宮内庁と藝大が所蔵する日本美術の数々に圧倒されました。
「皇室、美の玉手箱」とは上手い命名です。
展示室もいつもなら3Fだけですが、今回は地下階もありました。
例によって朝一で行きましたが、日曜日だったせいか意外に人が多く、絵巻物の前では列が出来ていました。
ホームページに入場方法に変更がある、と掲載されていましたが、朝一にも関わらずそれぐらい人が多かったです。
展示は、5つのストーリーに分かれています。
「序章 美の玉手箱を開けましょう」
「1章 文字からはじまる日本の美」
「2章 人と物語の共演」
「3章 生き物わくわく」
「4章 風景に心を寄せる」
宮内庁所蔵についてHPに解説があります。
国宝の展示物もあり、1つ1つが至宝の美術品です。
写真撮影は不可でしたのでチラシを掲載します。
入口に「法隆寺金堂模型」があり、模型好きにはたまりません。細部まで再現された模型を横から上から観察してしまいます。
国宝の小野道風の「屏風土代」は、文字の美しさを気づかされます。
伝 狩野永徳の「源氏物語図屏風」は「若紫」「常夏」「蜻蛉」の場面が描かれており、平安時代のふくよかな丸顔の中に男性の中に、精悍な顔つきの男性が描かれているのが印象的でした。
「伊勢物語図屏風」は、古典の中でも好きな伊勢物語が描かれていますが、どこの美術館でも、「伊勢物語」関連の美術品の前では立ち止まってしまいます。いつものことですが、伊勢物語関連には鑑賞者が少ないのでじっくり観ることができました。
国宝の「蒙古来襲絵詞」は、歴史の教科書に載っていた記憶がありますが、鑑賞する人も多くベルトコンベア式に絵詞と絵を見ていくため、もう少しじっくり見たかったです。
国宝の「春日権現験記絵」は人物が細かく描かれており、その技法と色合いに感嘆しました。
「平等院鳳凰堂模型」は建物の概要が分かり、特に建物の裏側の構造がよく分かりました。
尾形光琳の「西行物語絵巻」。残念ながら書かれている和歌を読み解くことが出来ませんでした。崩し文字の修行がまだまだ足りないようです。
圧巻だったのは展覧会のポスターの図柄にもなっている「唐獅子図屏風」。6曲1双の屏風ですが、絢爛豪華、という言葉しか思いつきません。
ほっとする気分になったのが酒井抱一の「花鳥十二ヶ月図」。季節ごとの植物を描いたもので、旧暦の季節感が分かります。
最後の展示室の出口に「自分の好きな分野の発見に役立ててください」という趣旨の説明書きがありましたが、とても役立つ展覧会でした。
藝大美術館にはホテルオークラのカフェが併設されていますが、トーハクのミュージアムショップで買いたい本があったので、トーハクに移動しました。ホテルオークラが運営するレストランでケーキセットで休憩し、トーハクの庭を眺めながら、さっきまで観ていた作品を数々を思い出していました。
宮内庁の所蔵の至宝を観ることができ、素晴らしい日本美術に圧倒される展覧会でした。
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