METのジェームズ・レイバン氏逝く
ニューヨークのメトロポリタン歌劇場(MET)の音楽監督を約40年間にわたって務めたジェームズ・レイバン氏(JAMES LEVINE)が死去したというニュースがありました。77歳。老衰だったそうです。
氏は1971年にMETデビュー以来、85作のオペラ公演を約2500回指揮しました。2018年にセクハラ疑惑を受けてMETを解雇されていました。
METで上演された演目はライブビューイングとして日本の主要都市の映画館でも楽しむことができますし、WOWOWでも観ることができます。
私も何度か映画館で氏が指揮を振る演目を見ました。その中でもこの作品はとても印象に残り、写真のDVDを購入しました。
ワーグナー:「ニーベルングの指環」全曲
ロベール・ルパージュ演出
ジェイムズ・レヴァイン指揮(ラインの黄金、ワルキューレ)
ファビオ・ルイージ指揮(ジークフリート、神々の黄昏)
メトロポリタン歌劇場管弦楽団&合唱団 ターフェル、ヴォイト、カウフマン、ウェストブローク、他
カナダの演出のロベール・ルパージュ氏は、シルク・ドゥ・ソレイユの演出家で、この「ニーベルングの指輪」では複数の板とプロジェクションマッピングを使用し、舞台の荷重ギリギリの装置を使った壮大な舞台です。
舞台制作の過程は、作品4枚のDVDディスクとは別のディスクで見ることができます。
最近のオペラは制作費の関係もあるのでしょうが、「読み替え」演出が多いのですが、レイバン氏の音楽指揮とルパージュ氏の演出は、ワーグナーの音楽と「指環」をめぐる神話を確実に忠実に表現したものとして高く評価されています。
METを離れたレイバン氏の動静についてはフォローしていませんでしたが、長寿化の現代にあってはまだまだ活躍できたことでしょう。老衰が死因のようですが、気力が失われたのかもしれません。
さらに、コロナ禍で、シルク・ドゥ・ソレイユは経営破綻に追い込まれてしまいました。残念です。
この「ニーベルングの指輪」は、2021年4月23日~5月6日、東京の東劇で上映されることが発表されました。自宅でのDVDで観るのと比べ映画館での大画面は大迫力があります。
作品は全部で16時間くらいありますから、気合いを入れて観る必要があります。
リアルなワーグナーの聖地巡りをしたいものです。
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