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響き合う展覧会 アーティゾン美術館の企画力は素晴らしい

アーティゾン美術館の展覧会は、毎回その企画力と実現力に驚かされていました。しかし、今回はパリのオペラ座(ガルニエ)に関連する美術品の展示ぐらいにしか思っていなかったので、これは必見・是非行くんだと意気込みがなく、そのうち行こうか、と後回しにしていました。
先週のNHKの日曜美術館のアートシーンで紹介され、どうやら思っていたのとは違うようだと、興味をそそられ早速行ってきました。

私は展示室にある解説文はあまり真剣に読まないのですが、ガルニエでオペラを上演するには、フランス語・バレエを盛り込まないといけない、などの解説文も興味深く読み入りました。
特にワーグナーのタンホイザーについては、作品を見たりいろいろな本で読んでいるものの、展示されている絵画と相まってタンホイザーについて新しいことが分かった気がします。

舞台美術のスケッチも多く展示されており、当時のオペラの舞台セットを知ることができます。150年前のドン・ジョバンニの舞台セットは、現代で上演される舞台セットと基本構造は同じなんだと分かりました。
最近のオペラはコンテンポラリー的な衣装・セットが多く、私がバスティーユオペラ座で見たドン・ジョバンニもスーツ姿でしたが、建物の配置などは150年前と同じで、こんなところに作品のエッセンスが引き継がれているんだなあ、と思いました。

展示室にはオペラ・バレエの映像を流していて、久しぶりにバレエを見たくなりました。視覚に加え聴覚でも楽しめる展覧会です。

パリにはガルニエとは別に新しく建造されたバスティーユオペラ座があり、最近はガルニエはバレエの上演が中心でオペラは少ないのですが、駐在中にガルニエでのオペラを鑑賞する機会がありました。

2015年7月15日。GluckのAl cesteです。数ヶ月前からチケットを取って行きました。ガルニエは観光で行ったことがありましたが、オペラで行くのは初めてでした。
後半はオケがピットではなくステージに配置されるという面白い演出でした。オペラの演出は現代的だったものの、音響もよく絢爛豪華なガルニエでオペラを観ることができ、大満足したことを覚えています。

開演前
ボックス席
開演間近
オーケストラピット
天上画
幕間
幕間
外の光景
後半
カーテンコール オケが舞台に
夜のガルニエ

オペラは総合芸術、と言われます。音楽・声楽・舞台・演出・衣装など。
今回の展覧会はそれを改めて感じさせてくれるものでした。


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