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うつわバンク開始の理由

なぜ、食器レンタルというアイディアに行き着いたのか。何が狙いなのか。それはもう色々ある。せっかく一人語りができるnoteなので思う存分書いてみる。

1.自分が食器好き
まずはこれ。『食器好きあるある』だと思うのだが、お店で良い食器を見つけても、なかなか購入には至らない。なぜかというと、すでに持っている食器で棚がいっぱいで置き場所がないから。特に茶碗なんかは1人一つあれば十分であり、気分で茶碗を変えるなんてオシャレな暮らし方はそうそうできない。

加えて、変わったデザインの食器に惹かれて買っても、だいたいスタメンとして起用されるのは無難で使いやすい大きさ&デザイン&材質のものであり、結局棚の奥底にしまわれて出てこないことが多い。

そんな時、レンタルだったら常に置き場所を確保し続ける必要が無いし、季節や興味本位で借りてみて何回か使って満足したら返せばいい。また恋しくなったら借りればいい。

2.先行事例がない
なんでもシェア全盛のこの時代、食器のシェア(レンタル)はほとんど聞いたことがない。少なくとも僕が調べた範囲では、業界のリーダー的な事業はない。飲食店などtoBでやってるところはちょこちょこ聞くけど、toCはないと思う。どうせやるなら、新しいことやりたい。

3.エコ
シェアリング全般的に言えるけど、エコ。
個人的に環境問題に対してそこまで敏感なわけではない。けど、頻繁に新しいお皿を買って、割れてもいないのに古い皿は捨てる・・ということを繰り返すとすれば、やはり罪悪感は感じる。捨てなくて良いけど、色々な種類を使える。エコ。

4.人にまかせやすい
いきなり事業的な話になるけど。
飲食店を始める前、いずれコックを1,2人雇って、僕は常に調理場に立たなくても良いようにしようと思っていた。
が、5年やってみてそれは諦めた。理由は色々あって丁寧に話していくとすごく長くなってしまうのでまたの機会にするけど、簡単に言うと『育てるのがめちゃくちゃ大変な割に定着率が低く、超リスキーだから』。

レンタルであれば、商品管理や発送業務のマニュアルをしっかり作っておけばそこまで長い研修などを経ずともできるはず。僕が常に現場に居ずとも回せる(はず)。これ理想。

5.一定回数レンタルすれば粗利が大きい
また事業的な話だけど。
普通、小売となると仕入れがあって、それに幾ばくかの利益を乗せて販売する。販売額-仕入れ値=粗利。小売は当然、一回売ったら品物はなくなるわけだからまた仕入れる。おそらく小さいであろう粗利を積み上げていくことになる。

一方、レンタルだと一回購入すれば壊れたりしない限り、仕入れ値は発生しない。購入額を回収してしまえば以降のレンタル代金がほぼ粗利になる。すごい。

実際、全ての商品が回収できるまでレンタルしてもらえるってことはないだろうし、壊れて戻ってきて修理が必要だったり、そんな皮算用の通りにはならないだろう。あくまで『一回仕入れたら無限に利益を生んでくれるなんて、夢があるなぁ』くらいの妄想。

6.食器の良さをもっと広めたい
事業的な話からは抜けます。
食器のポテンシャルを最も良く知る方法、それは使ってみること。
店頭で食器のみを見るだけでは、ポテンシャルの50%も分からない。
柄のないシンプルなお皿が、実際に盛ってみると料理を実に美味しそうに見せ、魅力を存分に引き出してくれるということはよくある。

逆にいかにも華やかでかわいいお皿が、料理を盛ってみると中々うまいこと調和せず、なんか使いにくいということもある。

料理用であれば盛り付けしてみて、カップであれば飲み物を注いで口をつけてみて気がつく良さというものが食器には多く潜んでいる。

服なんかも同じ。
ハイブランドの白シャツは『なんでただの白シャツが◯万円以上するの!?』と思いつつも、試着してみると実にシルエットを美しく見せてくれたりする。

そう、やはり道具として生み出されたものは、使ってみないことには本当の価値に気がつくのは難しい。
服なら試着という手があるが、食器はお店で試しに料理盛り付けてみるわけにはいかない。

いきなり購入するのは気が引けるならまずはレンタルしてもらって、いろんな食器を使ってみてほしい。
そして良い食器というものを多くの人に体感してもらいたい。
気に入ったら使い続けることもできるよう、うつわバンクの食器は基本的に買取可能にしている。

7.バンクになりたい
最後。これはうつわバンク構想を思いついた時の根源にして、この事業の最終目標。

まずは僕が所有する食器のレンタルから始めているが、自宅に食器を持て余している人から月額いくらで預かりたい。
最初に挙げた通り、棚が満杯になっており新しいものを買おうにも置き場所がないということは食器好きあるある。かといってせっかく気に入って買ったものなので、普段あまり使っていないとしても捨てたり売ったりして完全に手元から離すのは惜しい。

そういった食器を預かる。早い話がサマリーポケットやキュラーズのようなレンタルストレージサービス。食器専門の。

で、その預かった食器を今度は欲している人にレンタルする。僕が所有しているものだけだと品揃えに限界が出てくるけど、みんなから集まれば一気に増える。
レンタル代は送料などの事務費を引いて、預けている人と当店で折半。

『食器を預かり保管しつつ、他の人へ貸し出して運用する』この仕組みが銀行と全く同じなので、うつわバンク。

で、このエコシステムは社会貢献につなげたい。
預け主の希望次第で、折半して還元するレンタル収益の一部(ないし全部)を慈善団体などへの寄付金にする。当店からも一定割合を寄付金に上乗せする。

つまり、預け主に対する売り文句で言えば『家で使わずに持て余している食器があるなら当店に預けてスッキリし、必要としている人に使ってもらいつつ募金をしませんか?』ということ。

借り主に対する売り文句で言えば『一時的に使いたい食器があるなら買わずにレンタルでお得に済ませ、さらに困っている方への支援につなげませんか?』ということ。

子ども食堂、貧困家庭の進学、難病などなど社会的に弱い方々へのセーフティーネットで支援を欲しているところは多い。
人手、仕組み、熱意・・支援を円滑に回すために必要なことはたくさんあるが、何をおいてもやはりまず必要なのは資金。
行政からの支援だけでは不十分な中、やはり善意の募金というものが不可欠になってくるが、安定して十分な額の募金を集め続けるというのは困難。

出す側が『募金するぞ』って思って出すのではなく、普段の何気ない消費行動が自然に募金に繋がっていたら最高。それでこそサスティナブル。
その仕組みの構築がうつわバンクの最終目標。

まあ、これは壮大すぎて簡単に実現できるものではない。細かいところでいくつも壁が出てくるだろうし。
でも千里の道も一歩から。そもそも僕自身、レンタル事業というものをやったことがないのでまずはその部分に着手というのが現段階です。


あー、書いた書いた。
絵も図も写真も無く、あまり推敲もしていないので読みにくいところが多々あったと思います。
多くの方は途中で離脱されたと思いますが、もしここまでお読みくださった方がおりましたらお礼を申し上げます、ありがとう!

いやー、お金を頂ける文章とは思いませんが、頂けるというのなら受け取らせて頂くこともやぶさかではございません。