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家族関係の難しさ

人間関係で最も難しいのは家族

保健室の悩み相談のトップは友達関係、次に家族関係のことだ。
多くは親との関係だが、兄弟だったり親戚だったり、はたまた両親の不仲に子どもが悩んでいたりと本当にいろいろある。


虐待ではないけど良好ではないグレーな関係

例えば【傷だらけ】とか【何日も服が同じでお腹を空かせている】とか誰が見ても明らかな虐待がみられたら関係機関に繋げることはできる。
虐待に関して通報義務もあるからだ。

難しいのはグレーなものだ。
厳しい躾。異性関係が目立つ親族。兄弟間の差別。最近ではヤングケアラーなんて言葉もあるが、親の話をひたすら聴く子もいる。
同年代の友達に相談したら「うちもそうなんだよー」で流されてしまうようなグレーな行為。

大きな心の傷は表面的に見えやすくても、日常化した傷はわかりにくく痛みを感じにくかったりする。


保健室で話してくれてありがとう、と思いながらも、仕事をしている中で1番無力感を覚えるのが家族の悩みを聴くことだ。
聴くことしかできなくていつも申し訳なく思う。


子どもの居場所の限界

大人は成人しているから家を離れることもできるが、子どもにはできない。
子どものうちに家を出るとするならば被害者か加害者になる可能性が大きく高まる。
属するコミュニティが家と学校しかないと、子どもの生きる世界がなくなってしまう。

家族と一時的に距離をとれる気軽な場所があればいいのに、なんて思う。
今はSNSがその役割を担ってしまっているので今更の難しさはあるが、多くの大人の目がある所の方が安心だと思っている。
例えば公民館とかお寺とか、なんでもいいんだけど今ある物でうまく活用できないだろうか…。


子どもの居場所が増えることで、親サイドも助かる人がいるはずだ。
大人だっていつも完璧ではない。
感情的になることだってあるし、子どもに愛情を抱けなくて苦しむ人もいる。

家族のことは家族で解決、が大変な時代になっているのだと思う。介護のように社会資源が増えていけばいいな。



子どもの成長が解決のカギでもある

話を聴き無力感を味わいながらも、私は「未来のその子が笑顔でいるイメージ」をもって話を終えるようにいている。
本来なら今を楽しくすることで未来に繋がるとは思うのだが、今の環境が悪いのであればその環境から抜け出したときのことを考えていく。
そこで何もなければ家にいることになるからだ。
望まない環境に依存することで悪循環につながる。

そこまで伝えなくても、多くの子は今自分ができることは勉強だとわかっている。わかっていても家族の悩みを抱え過ぎて勉強に集中できなかったりする。

子どもには友達のことや進路のことなど、自分のことだけ悩んでほしい。切なる願いだ。


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