LGBTを伝えるときに
表題のLGBTとは、同性愛や両性愛(バイセクシャル)、性同一性障害(トランスジェンダー)等の性的少数派を指します。
保健室に勤めている私個人の考えをまとめています。
今熱い、LGBT教育
2015年に文科省から「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等について」の通知が出され、相談があった児童生徒等に対応することが求められています。
学校サイドではトイレや更衣室等の施設設備、制服や宿泊行事等の対応が中心になりますが、正直なところ、偏見やいじめをどう防ぐかが大きな課題です。
その解決のため、性教育を通じLGBTについて教えていく授業が広がりつつあります。
知らないと誰かを傷つける
「LGBTなんて関係ない、自分も違うし周りにもいない」…本当にそうでしょうか。日本では8〜11%、左利きの割合と大差ありません。
知識を得ると、配慮や気遣いができる人間になります。
以下は私自身の話になりますが、学生時代に2つの失敗をしました。
1つは「今まで誰かを好きになったことがない」と言った友達に、「理想が高いんじゃない?」と返してしまったこと。
2つ目は同性が好きという悩みを告白してくれた友達Aさんに対して、「友達Bさんも同性愛者だから大丈夫だよ」と返してしまったことです。
1つ目はアセクシャルのことを知っていれば友達を否定しない言葉がかけられたのかもしれません。
※アセクシャル…他者に恋愛感情や性的感情を抱かない性
2つ目は完全なアウティングで、Bさんには謝ることしかできないのですが、当時の私は目の前のAさんを安心させることだけ考えていて100%善意でした。
※アウティング…本人の了承を得ずに第三者に性的な事情を話してしまうこと
そういう価値観の人がいることを知っていたら、当時の自分は何て声をかけたのでしょう。
加えて、自分の知見以外を認められなかったり、自分がされたら…と想像できなかった未熟さがあったことは間違いありません。
知るだけではもったいない
LGBTの人は身近にもいるから、言葉に気をつけようね。少数派も尊重しようね。
…それで終わり、でいいのでしょうか。
私が授業をする上で大事にしたいことは、多様性と平等です。
LGBTと一括りにしても、生き方や願いや価値観は1人ひとり違います。
もちろんヘテロセクシャルの人たちも1人ひとり違います。
皆それぞれ尊重されたい、自分の思いを知って欲しい、共感してほしいと思っています。
皆の価値観が違うこと、尊重されたい願いが前提にあれば、自分のことも相手のことも大切に扱えます。
自分の考えを恐れなく伝え、時には話し合って、最終的に自分で生き方や付き合い方を決めていく。
これはLGBTに関わらず、全員に必要なスキルだと私は思っています。そこを育てたい!
なぜなら、誰にも少数派になる機会があるからです。
これからの社会を創る人を生み出す
残念ながら今の社会は否定や批判、差別、マウンティングに塗れています。
しかしこれからの時代は、人との違いや個性を認め合い、活かす時代です。
そんな人材を育てるこの仕事に就けた私は、
めっちゃ幸運な幸せ者です!╰(*´︶`*)╯♡
細々とではありますが、そんな思いで授業をしていきます。
ご拝読ありがとうございました。
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