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なんかいいことないかなぁ

友達はいる。でも全てを曝け出してはいない。
一緒にいて楽しいけど、相手にとって自分が一番の親友なのかはわからない。


授業はそこそこわかるのに、テストの点は今ひとつ伸びない。進路もぼんやり。進学した方がいいことは何となくわかる。でも進学したとしてもやりたいことはない。


体調はだいたい30〜40点くらい。朝は特にだるい。
だいたい頭かお腹が痛い。座っているだけでも疲れる。


好きな時間はスマホを触ってるとき。
スマホでYouTubeやインスタ、TikTok、ゲームをしてる時間はどんどん溶ける。
授業の時間もこんなふうに楽しくあっという間に過ぎたらいいのになぁ。



無気力な原因をコロナのせいにもできるけど、コロナ禍の前からこんな思いをもつ子は存在している。

というか私がそうだった。

表題の「なんかいいことないかなぁ」は中学生時代の私の口癖だ。でもどこの学校でも耳にする。
時代や場所が変わっても閉塞感がある子は確かにいるのだ。




「なんかいいことがある」ようにするには、自分が変わるしかなかった。
手を伸ばさなければ、誰にも引っ張られない。
手を伸ばしたとしても、場合によってはタイミングや自己アピールも必要になる。
やる気なんか、いくら待っても湧かない。湧いたとしたら気まぐれだ。


何が楽しいとか好きとかわからないときは、皆が好きそうなものや好きな人から勧められたものをとりあえず試した。
ハマるものもハマらないものもあった。

理想の自分や生き方は何となくイメージがあった。
本当はどんなことにも興味をもちたいし、楽しく過ごしたい。居場所がほしい。必要とされたい。
そんな自分に近づいたり遠ざかったり。




あれから数十年。
今は生きることが楽しく思えている。
もちろん、たまには疲れるときもあるけれど、概ね楽しい。朝の憂鬱さが以前よりも軽くなった。

やりたいことはたくさんある。
時間は足りない。
そんな私なので「なんかいいことないかなぁ」が聞こえると「あるよ!」と言いたくなる。
でもその答えは自分で見つけるものだから。

精一杯のエールを。

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