養護教諭(保健室の先生)の専門性とは

数年前に指導をいただいた先生から投げかけられた質問が、ずっと私の頭に残っている。

「如月さん、養護教諭の専門性とはいったい何だと思いますか?」

私は間髪入れずに答えた。

救急処置です。

「何故そう思うのですか?」

子どもたちも保護者にも職員にも期待されていることですし、学校の中で最も医療の知識をもっているからです。

「そうね、それは間違いじゃないのだけれど…」

今でも救急処置が大事なことは変わりはない。
命に関わることだし、それほど重くなかったとしても痛みや苦しみを少しでも軽くしたいからだ。
だが、答えてから ふと思った。
看護師や医師が学校に常駐すればいいのではないか?と。

養護教諭の役割

養護教諭の職務内容は文科省から出された資料によると、次の項目となっている。

1    学校保健情報の把握に関すること
2 保健指導・保健学習に関すること
3 救急処置及び救急体制に関すること
4 健康相談活動に関すること
5 健康診断・健康相談に関すること
6 学校環境衛生に関すること
7 学校保健に関する各種計画・活動及びそれら
  の運営への参画等に関すること
8 伝染病の予防に関すること
9 保健室の運営に関すること

サラッと挙げているが、その1つ1つは濃厚だ。

例えば健康診断 1つとっても、
校医との日程連絡調整、計画立案、先生方への連絡、問診票の印刷と配布、記入漏れや未提出者への催促、器具の消毒、会場準備、健診中の傷病者等の対応準備、会場設営、校医の接待、問診票の読み上げや記録、会場片付け、器具の消毒、健診結果の通知、健診結果の内容から個々に応じた保健指導、健診結果の集計と健康課題の洗い出し等がある。…読むのも嫌になりますね。笑

救急処置もその役割の中の1つ。
ただ、今までを振り返って思うことがある。

本当に救急処置は養護教諭の専売特許なのだろうか、と。

私が出張等で不在のときは他の先生が対応されていたし、救急車を呼ぶような時は私1人では対処しきれない。応急手当と救急車要請、周りにいる子どもへの指示、保護者連絡…1人では無理なのだ。

専門性とは 好きを教える力

救急処置以外にも養護教諭の仕事は多くある。
医療職ではない私が、この仕事で何を大事にしたいのだろう…と、最初の質問の答えを考えて数年。

今現在の私の答えは、
専門性とは 好きを教える力。

子どもたちに何を望むかを考えたときに、
 元気でいてほしい
    ↓
 自分の体や心を大事にしてほしい
    ↓
    自分の体や心を好きになってほしい となったから。

私は学校の中で誰よりも体の仕組みを知っている。
心のことは専門外だが、心(脳)も体の一部だ。
心が少しでも元気になる方法を一緒に探したいし、つらいときは寄り添いたい。
この世にたった1人しかいない自分の心と体に関心をもってほしい。

そんな気持ちが今は強い。
ただ、まだなんとなく100%しっくりきていないので、これからも考えていく。

決意表明

健康情報は日進月歩で変化し、今は情報過多の時代。何が正しく、何を信じるかは自分で判断していく必要がある。
だからこそ、日々勉強。
そして自分自身が笑顔多めでいること。
そのために、今自分に課しているテーマは「ありがとうチャレンジ」。
ありがとうって言う時には、自然と笑顔になるから。
あと続けていくことで、ありがとうを口癖にしたいと目論んでいる。

ここまでご拝読いただき、ありがとうございました!



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