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全部落ち、浪人生活に

大学は確か5校受けたと思うが、すべて不合格。駄目だとは思っていが、えっ、あそこにも受からなかったのと思うような大学まで落ちたのでかなりショックだった。

息子も、同級生はみんな大学生になるのに自分は…と思ったのだろう…自分から、この予備校に変わって、家に戻って再度受験させてくださいと言ってきた。

一年間いろいろ経験して、ずば抜けた能力がない人間は大学卒の学歴があった方が楽に生きていけると実感したようだった。

彼の第一志望は東大。予備校の保護者面談でも今年1年では無理だから私大文系に変えるよう言われたが、素直に聞くような息子ではないので、本人の思う通り東大受験クラス。点数が足りないのだからもちろんAクラスではなくてBクラス。

しかしいろいろリサーチしたらしく、AとBでは講師も授業内容も違い、Aで学ばなければ合格はないと思い、それを実現させていた。

毎晩帰宅は10時過ぎ。何をしているのか聞くこともなく、私は食事を整え、絶対に彼は希望の大学に入れると入浴中のイメージングを欠かすことはなかった。

高校時代は教科書を開いた形跡もなく、留年、カンニングで退学に追い込まれた息子が東大に入れるなんて誰も思わなかっただろうが、その時の私は母である私が信じないでどうするという気持ちで心から信じることができた。

そして、何より息子の目の輝きが違っていた、乱れた生活をしていた時とは。

2回目の受験は、東大は駄目だったが希望の私大には合格し、入学する事になった。

予備校時代も帰りが遅かったが、それは、毎日授業後自習室で勉強していたからだった。

何より驚いたのは、友達と話してしまうとそのまま遊びに流れてしまうから気付かないふりをした、遊んだのは一年間で一度だけだったという息子の言葉を聞いた時だった。

息子は現実を変えようと、ものすごい集中で勉強し、未来への扉を開いたのだと思う。

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