環境は人をつくる
まいにち過ごす場所は、美しい方がいい
毎日の暮らしが豊かであれば、そこに住む人たちも当然豊かになると思う。ヨーロッパの美しい街並を見ていると、贅沢しなくても豊かな気持ちになるのと同じ。どこを眺めても絵になる美しい風景は、本当にため息が出るほど芸術的です。彼らの「美意識>利便性」という意識は、徹底していますよね。人間にとって価値あるものを理解しているんだろうなぁ。
家も同じで、家やお部屋の姿は、住み手にそのまま映し出されます。それは、冒頭の野中先生の言葉にあるように、当然のことなんだと思います。
裕福でないと良い環境を作れないとか、そういうことではありません。家は立派でも家の中は散らかり放題という住まいはいくらでもあります。
逆に、狭くて質素な住まいに手をかけて、驚くほど素敵に暮らしている人もいます。
要は、住み手の工夫次第でいくらでも変えられるということ。与えられたものに満足し、さらに高い価値に変えていく力を養えるかどうかなのだと思います。
自分の選んだもので暮らす
わたしが今、所持しているものは、わたしが長年かけて集めてきたものです。1つずつすごーく真剣に選んだので、できれば子供たちにも受け継いでもらいたいお気に入りです。愛着のあるものに囲まれて暮らすと、自然と日常を大切にする子供に育つと思います。
雑多な部屋ではくつろげないし、良いアイディアだって湧いてきません。子育ての環境としても、絶対によくない。
それなら、目に映るものすべてを美しくすれば、常に気分よく過ごせるじゃん。そんな単純な発想から、私の暮らしを愉しむ生活は始まりました。今までも、これからも、そんな暮らしを目指しています。
忙しいから、整える
「忙しくて家をキレイにする余裕がない!よくそんな暇ありますね。」
こんなことを言われることもよくあります。でも、よく考えてみてください。それって、優先順位が間違っていませんか? 家族の心身の基盤となる「住まい」のことを後回しにするほど、本来他のことをすべきじゃないと私は思います。わたしからすると忙しくてストレスフルだからこそ、日常の気分を上げるために美しくしておきたいんです。
片付く仕組を作る
そのためには、すぐに片付く仕組を作っておくこと。今は、世の中に片付けの本や講座などあふれているので、すぐに学ぶことができます。
わたしは家を建てる前に、整理収納の本を読んだおかげで、大変参考になりました。一通りの理論を理解してから、日々実践を積み重ねれば、自分に合うやり方が見えてきます。仕組ができれば、たとえ散らかっても短時間ですぐにリセットできます。家に入れるモノを選び、その住所を決め、使ったらその住所に戻す。要はそれだけです。
家を美しくすることは、自分や人生を大切にすること
日々の小さな努力で、自分や家族が、ゆったりと心地よい時間を過ごせるようになれば、人生がより創造的で満足したものになります。他人や仕事のウェイトが大き過ぎると、自分や人生は空っぽになり、結局は社会に貢献できる人材ではなくなってしまう。環境は、そういう価値観を自然と受け継いでいくでしょう。だから、「環境は人をつくる」と言われるのだと思います。
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