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あしたね、って軽やかに今日をくぐる


それまでは難しい気分で過ごしていたのだ。

ちょうど日の入り頃、まだ明るい夕方の空に、昇り掛けの月がいた。
半分よりも膨らんで、大きく見える白い月。
光を帯びた夕方の月。
太陽の後に少し残る時期が、本当にきれいだけれども、これから昇る月はなんというか、パワフルだな。

とにかく、瞬間に、気分が変わったんだよ。
どうにも気持ちが落ち着かない時に空を見ると、星や月が、まるでこの姿をわたしに見せるために気分を乱していたんじゃないかと錯覚するほど、美しく現れることがある。不思議なことに、時々あるんだよ。
気持ちが狭くなっている時ほど、美しく映るものなのかもしれないけれど。

忘れてはいけない。
頼りにしていい。
ひとりの時間を闘っているならこそ。

陽の光を浴びることも、
雨に囲まれる安心も、
冷たい季節も、蒸す季節でも外の空気を感じることも、
花の匂いも緑の色も、
夕方がきれいなことも。

夏の話をしたくって焦ったんだよ。春はゆっくりと傍にいてくれる。

急に気がつく、4月の下旬が好きだな。
でも当たり前だ、好きじゃない季節はないんだから。
春は追われるように過ごすことも多いから。心の乱れた記憶ばかりをつい残してしまうんだろう。
季節は優しいのにね。

(だって次の季節をいつも迎えられるとは限らない)
時間という概念が無くても、こう刹那的になるものなのだろうか。

初夏が近づいている。
いちばん好きな季節が訪れるのを待ち侘びて、もう少し、「今」を歩いてみるよ。


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恐れ入ります。「まだない」です。 ここまで読んでくださって、ありがとうございます。 サポート、ありがとうございます。本当に嬉しいです。 続けてゆくことがお返しの意味になれば、と思います。 わたしのnoteを開いてくれてありがとう。 また見てもらえるよう、がんばります。