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いつかまたこの話をするね

光か、闇か、いまいちよく分からない。どちらもあるような、そんな響き。
あんまりキラキラしていない。でも、ぼんやりと明るくて触れば熱い。鋭く光ることもある。キラキラよりギラギラ。それって何だろうね。地底に棲む生き物かなあ。ごわごわしてるんだよね。でも、稲光りみたいな激しさもあるんだよ。蜘蛛みたいなイメージもある。モグラ、ミミズ、薄暗いところが好きな生き物。暗いところで眼が光ってる。眼じゃない?眼がない?じゃあ何が光ったの?魂かな。
ロマンチックな音と、泥臭い音が同居している。ダイヤモンドの原石?鍾乳洞?マグマじゃないなあ…もっと低温のイメージ。そうだ、低温火傷しそう。砂風呂かな。なんだろう。
時々バチッと電撃が走る。電気みたいなのはリズムかな。それでなんだか陽気な振動もある。

沼なんだよ。泥の中。命が産まれる場所だ。
卵の内側なんだ。
君の声は、殻の中で形を作っている途中の命みたいなんだよ。
孵ったらどんな姿をしてる?
ずっと想像できない。殻を破って出てくるのかも分からない。
固い殻に守られて、ずっとカタチを変え続けているような。ずっと産まれる準備をしている。まだ産声にならない。たくさんの化学反応が起きている音。

魂に戻りたい誰かの心を掬って、また形を取り戻したら見送る。
カタチを失いかけた何かをずっと抱えていられる、そのための殻。固くて柔らかい、遠くてすぐ傍にある。ここちよくて、ちょっと怖い。
でもやさしい。やさしくて、痛い。痛みがあるのに、爽やかな涙が、こぼれてくるんだよ。ここにいたいな。まだ産まれたくないわたしを隠しておいていい?わたしの涙を、ここに、隠しておいていい?



キラキラしてない。ギラギラしてる。
なのにどこかで、ぴかぴかしているんだよ。

わたしにしか分からない。君にしか分からない。あなたにしか分からない。
同じイメージをするのはきっと無理だ。この心を知っている人だけに聴こえる音。きっと誰もが本当は聴こえている音。ある時気づくんだよ。気づかないんだったらそのままでいい。この音が聴こえたとき、きっと少しの悲しみを伴うだろうから。

置き去りにされるような気持ちになるかもしれない。
それならあなたは大丈夫。この歌が必要無い方がいい。これはわたしのための歌だから、あなたは聴かなくてもいいよ。

でも、いつかあなたが聴くときのために、大事にあたためておくよ。あなたの本当の涙を見れたら、きっときれいだろうな。



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恐れ入ります。「まだない」です。 ここまで読んでくださって、ありがとうございます。 サポート、ありがとうございます。本当に嬉しいです。 続けてゆくことがお返しの意味になれば、と思います。 わたしのnoteを開いてくれてありがとう。 また見てもらえるよう、がんばります。