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よみもの

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比較的よく見て頂けている記事や、個人的によく書けたなと思うもの、より見てもらいたいなと思えるものなど、「こんな感じの記事を書いているよ」というのが伝わりやすそうな記事をまとめまし…
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#詩

はみだす、ふみだす、うみだす、はぐくむ

はみ出してゆく 抑えきれないきもちが 踏み出していく みずから飛び込む 生み出してゆく まだ見たことのない世界を あるいは、 生まれないまま、 目に見えないものを、見えないまま 形のないものを、形のないまま 名づけもしないまま あるいは、ただ名を呼んで、はぐくむ きもちがある そのきもちに触れるものに 出会うために はみ出してゆく、 踏み出していく もっと大きくなるために、もっと拓いていくために、 切り分けられるものは切り分けて、 切り分けられるはずもないものはそ

完全

「生きること」を、探し求めている。 「あなたとは違う」と、拒みたいのではない。 ただ、誰とも同じではないと、胸が、叫ぶだけだ。 自分だけが生きていると言いたいのではない。 みんなが生きている。(あるいは、生きていた。そして、生まれてくる。)すべては等しく生きている、その命は、よくもなく、わるくもなく、皆、等しく、誰とも同じではない。 「私は誰とも同じではない」というのは、「私は全ての命と等しい」ということであって、しかし、「私とあなたは同じだ」と言おうとする時、なにか、意味

宣言

「ここに意志を示す」 あなたは本当に私を愛しただろうか。 何度でも聴きたかった。 手を離せると思う前に引き裂かれた心が、 治癒することはもうないのだろう。 その時はもう、永遠に来ない。 この心が完全な私なのだと思う。 生きてゆく。 私は私を満たして生きてゆく。 他の誰にも許さない。 私はそれでいい。 水彩色鉛筆(STAEDTLER KARAT, karat aquarell) バイオレット、シアン、ブルーを中心とした絵。紫を際立たせて、青を塗りたかった。他に、ラベンダー

ひとりでは抱えきれないほどの

わたしは、わたしの魂を見せて、「わたしがいるよ」って叫ぶことしかできない。「わたしがいるよ」ってずっと見せていくね。 わたしひとりでは、抱えきれないぐらいの、わたしの想いを、それでも抱えていくから。わたしがいるよ。わたしはいるよ。 どうか、わたしはいていいんだと、思わせて。 魂を見せて生きたい命があるならば、わたしは、ここにいるから。わたしが、きっと、応えるから。 たくさんの、全部の色を使った絵。 こちらが正の向き。 これは逆さの向き。わたしは、さかさまが好きみたい

夏の日の雨上がり

厚い雨雲が広がった日に、夕陽が現れるととてもきれいだ。一日晴れた日の夕方とはまた違う、まっすぐな強い光。 曇りが好きなのはなんでだろう。 反射する相手があるときに、光は美しい。 隙を見ては表情が変わる。雲は一瞬だって同じではいてくれない。 この間の虹がやけに印象的だった。 きっぱりと晴れた空ではなく、薄くなりつつある雲を背景にしていたからか。 曇り空は不思議だ。 雨の気配を含んだ雲も、ただ薄らと太陽を隠す雲も、殆ど晴れた青空にぽかんと浮かんだ雲も。全てを飲んだような黒い雲

むずむず

むずむず 外からの刺激を欲しがっている カタバミの種みたいに つつけば 弾けて飛んでいくかな? お話しよう お話しよう あなたはどんなきもち? みんなどんなきもち? 聞かせて 教えて みんな 何を考えているの? 何を感じているの? 教えて むずむず 誰かのきもちに触れて、わたしのきもちを打ち明けたい ぶくぶく あぶくみたいに、水面を探して昇っていく ざわざわ 風に木々や草花が揺れて、楽しいきもちをざわめかすよ 何か始まる 誰かが出会う 楽しいきもちをもっと知りたい

紫外線というのは厄介なのだなあ

4月のにぶい陽射しというのは、それはそれで気持ちがよくていいのだけど。春は見落としがちな紫外線と熱中症に気を付けてね。 見ててね、 もっと「たのしい」でいっぱいにするからね あなたを「たのしい」に巻き込んでいくからね とことこ 散歩の速度かもしれないけれど きっとゆくからね てくてく とことこ ただ街中を歩いていく それだけかもしれないけれど とことことことこ  たのしい散歩 きっときっと あなたにもきっと とどくからね  見ていてね

転がり出せばあとは進むだけ

話したい気持ちはあるのだけれども。 まだ、うまく伝えられない。形を失っている。 引っ越しをしているところなんだと思う、変化の中にいると感じる時はいつもそうだ。 気持ちの時間の中で、過去から今へ、もしくは今から未来に向かっているんだと思う、引っ越しの支度をしているみたいな苦しさがある。どう変わっていくとしても、進んだ先で今自分にできることをやるしかない。 きっとできると信じて進むしかない。 怖いんじゃないんだよ。愛しいものを置いていく気がしてさみしいだけなんだよ。 取りに戻れ

怯むなよ何も間違っていないんだから

「ここで生きていたいのに  わたしは、あなたのことが解らない」 真面目だなあ、そんな深刻に考えることじゃないのに 愛されるってそんなに重たいことなのかな 「だってそうだよ、  本当なら殺したり殺されたりすることだよ  命に代えて何か生み出すことだよ  わたしは  いつだって恐ろしいよ  生かしたり殺したり  生んだり生まれたり」 毎日、毎秒、絶え間なく起きていることだよ 「常ならば怖くないということにはならない  絶えず感じている」 目を 耳を塞げばいい? 「

高くよりも遠く跳ぶのが得意だった

雨じゃなきゃ行けない場所がある。 沈まなきゃ、闇じゃなきゃ、行けない場所がある。会えない相手がいる。見えないものがある。 いつもは行けない、会えない、見えないものに会うときは、 帰れなくてもいい。 違う、 帰る方法は知っていたほうがいいだろう。 でも、帰れなくなる覚悟はしておいたほうがいいだろう。 なぜなら、帰りたくなくなるから。 夏に、海に、夜に 森に、雪に、土に、 彼方に、 雨に ひとりで呼ばれる気がしたら、 ひとりで行ける準備をして、 一度行ってみるといい。 も