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夏の日の雨上がり

厚い雨雲が広がった日に、夕陽が現れるととてもきれいだ。一日晴れた日の夕方とはまた違う、まっすぐな強い光。

曇りが好きなのはなんでだろう。
反射する相手があるときに、光は美しい。
隙を見ては表情が変わる。雲は一瞬だって同じではいてくれない。

この間の虹がやけに印象的だった。
きっぱりと晴れた空ではなく、薄くなりつつある雲を背景にしていたからか。
曇り空は不思議だ。
雨の気配を含んだ雲も、ただ薄らと太陽を隠す雲も、殆ど晴れた青空にぽかんと浮かんだ雲も。全てを飲んだような黒い雲も。
みんな同じ雲という名。
きれいな曇り空も、恐ろしい曇り空も。
みんな曇りだ。


双子座の季節がやって来る。
牡牛座が好きで好きで寂しいけれど、わたしの心が本当に強くなるのはこれからなのだ。
強く、在らねば。
蟹座さん、どうぞそこを通してください、獅子座の太陽に会いたいんです。
日が長い時期はこれからだというのに、夏を感じ始めると、もう残暑を想って愛しくなる。ずっと抱きしめていたい季節だ。
どうかお願いです、わたしを生かしてください。
夏を愛し、夏に怯える。夏に祈る。

生きていたい。生きていたい。
わたしはそっと覚悟を決める。

雲が優しい。だけど甘えていてはいけない。隠された季節の歩みを、本当は分かっている。
今だけ、今だけは。
きっと行くから。
乙女座の月に約束する。


雨じゃなきゃ行けない場所がある。
曇りじゃなきゃ考えないことがある。
晴れてなきゃできないことがある。

晴れた日に誇れるように、今だけは、今だけは…
自分に祈る。自分に約束する。



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恐れ入ります。「まだない」です。 ここまで読んでくださって、ありがとうございます。 サポート、ありがとうございます。本当に嬉しいです。 続けてゆくことがお返しの意味になれば、と思います。 わたしのnoteを開いてくれてありがとう。 また見てもらえるよう、がんばります。