【平成の若者たちへの憧れ】「きらきらひかる」20230306
1991年の小説。
ゲイの睦月と、アル中でメンヘラの笑子による夫婦関係が描かれている。
笑子の情緒が安定していない描写がとても細やか。
子どもの頃読んだら「やばい女だな」と一言で片づけてたと思うけど、
この年になって読むと過去の色々を思い出して「うんうん」と思う。
笑子は全然変わってる人じゃない。
この小説が発表された平成では突飛な設定だったかもしれないけど、
令和の感覚で言えば、そういう関係もいいんじゃない。と自然と思える。
むしろ当時はどういう受け取られ方をしていたのだろうか。
とても気になる。
「結婚と家族の関係が」「セックスレスが」とかがメインかと思いきや
むしろこの小説で描かれている、暮らしの中の何気ない素敵な瞬間みたいながとてもよかった。
ベランダで星を見ながらウィスキーを飲んだり、
春の夜道をアイス片手に歩いたり、
そんな平成にあったかもしれない若者たちの風景を思い浮かべてうっとりした。
どんな関係だろうと素敵な瞬間を一緒に過ごせるならいいじゃないか、と。
ただ、ごく自然に飲酒運転してるのは怖いな、と思った。
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