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コロナ禍でどう変わった?マクロミルの営業フローと教育体制

新規のお客様からの問い合わせ対応やニーズの喚起、受注からアフターフォローまでを担うセールスディベロップメントユニット(以下、SDU)は、営業となる新入社員の多くが最初に配属される組織でもあり、教育・育成も大きなミッションです。SDUは、昨年7月に新部署として発足し、コロナ禍で大きく変化した働き方や、今の時代にあった新しい営業フロー、そして社員教育の在り方を模索してきました。
同部署のリーダーである青木康佑さん、大家力さん、下山いいさん、そして入社3年目ながら営業フローの刷新を力強く進める小松田知佳さんの4名に、その取り組みや成果について、広報の神前がお聞きしました。


SDU立ち上げの「要」は、インサイドセールスの導入

―まず、SDUがどのような背景で発足されたのか、聞かせてください。

青木:以前は、膨大な数のお客様リストに対して少ない人員で潜在ニーズの掘り起こしをしたり、粒度の異なる問い合わせ対応をしたりしていました。業務量が増えても優先順位が付けられず、正直非効率な部分もあったんですよね。そのため、より効率的なセールスの体制を敷くことで、お客様への価値提供にもっと注力できないかと模索していました。そんな中、コロナの影響で対面での商談機会が激減。よりオンラインでのアプローチを加速させる必要も出てきました。そういったDX化の流れもうまく活用しながら、新たな営業体制を構築して誕生したのがSDUです。
具体的にお話すると、新体制では、メルマガやウェビナーなど、お客様と営業が対峙する前のオンラインコミュニケーションをセールスマーケティンググループと連携して強化しつつ、SDUの営業活動をインサイドセールスとフィールドセールスで分業する構造にしたんです。インサイドセールスの導入は、マクロミルで今までになかった取り組み。オンラインコミュニケーションで獲得したリードや、インバウンドのお問合せをインサイドセールスで整理してフィールドセールスにパスします。その後フィールドセールスがクロージングし、受注後の運用、アフターフォローまで伴走する流れです。インサイドセールスを立ち上げたことで、フィールドセールスはより深いヒアリングや提案に注力することができ、それがマクロミルの優位性を確立することにつながると思っています。

大家:SDUで対応する案件は本当に多様なんですよね。お客様の業界もそうですし、お問い合わせの内容も、「すぐにリサーチをして欲しい」という発注のご要望から、「まずは話を聞かせて欲しい」といった情報収集段階まで様々。マクロミルの商材は無形かつ非定型サービスのためSaaS系のインサイドセールスとは異なります。お客様と最初に接点を持ち、課題の整理やご要望の顕在化の支援をさせていただく役割をマクロミルのインサイドセールスは果たしているんです。

新組織立ち上げのキーは20新卒

―今まで続いてきた営業体制を大きく変えるのは、きっと大変な苦労があったと思います。さらに、SDUでは営業に配属された新入社員の教育も担っていますよね。

青木:そうです。SDUの発足後すぐに配属された20新卒には、営業や社会人としての知識・スキルを付けるだけでなく、インサイドセールスの立ち上げにも参画してもらいました。もちろん業務フローやトークスクリプトはマネジャーや先輩社員が主体となって考えていましたが、20新卒も「自分たちがインサイドセールスを作り上げるんだ!」と気概を持って対応してくれましたね。今は21新卒も加わって、ますます力強い組織になっています。

大家:20新卒には、組織の立ち上げにかなり協力してもらいました。新しい組織としてルールやツールを整備していく上で、「どのようなキャリアの社員でも使えるもの」「あらゆる顧客対応に必要なもの」を営業経験はもちろん、社会人経験もまっさらな彼らの視点で沢山提案してくれ、とても参考になりました。新卒ではなかなか経験できない「組織の立ち上げ」を通して、20新卒は逞しく成長してくれたと思っています。

青木:インサイドセールスには、ヒアリング力や提案力が求められます。まだ課題が明確になっていないお客様には、ヒアリングしながら課題をクリアにして、私たちがどうお役に立てそうかをしっかり説明できないといけない。様々な業界のお客様に対応することで知見も深まりますし、セールスパーソンとしてのキャリアの幅を広げるためにも非常に価値のあるポジションだと思っています。
通常、インサイドセールスで一定期間経験を積んだ後は営業の別部署へ異動することが多いのですが、20新卒の中には、インサイドセールスの仕事にやりがいを見出して、「インサイドセールスでキャリアを積んでいきたい」という人も。そのような業務の専門性に魅力を感じてもらえるポジションを作れたことも良かったですね。

―20新卒は、コロナウイルスの影響で働き方もリモートワークへと大きく変わった代ですよね。配属から1年強経ち、どのような力がついていると感じますか?

青木:20新卒が特に強いのは、自身の学びをシェアし、周囲の学びも吸収しながらどんどん成長していくことですね。SDU発足を機に、営業の新入社員教育も大きく変えました。20新卒には、それまでのように全員個別にOJTをしていくのではなく、「デイリー共有会」というその日の学びや分からなかったこと、Tipsなどをシェアしてもらう場を毎日設定して、彼らに主体となって運営してもらったんです。私たちが指導するだけでなく、彼らが個々に得た学びをシェアすることで加速度的に成長できる仕組みを作りました。それによって、直接会えない環境下でもお互いに学び合い、フォローし合って、チームの結束が強まったと思います。また、デイリー共有会でのファシリテーションを持ち回りで担当したことにより、難易度の高いオンラインミーティングのファシリテーションも皆上手です。

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▲社内用語や業界用語をまとめた「サグラダ・ファミリア用語集」。
リモートワークでも新入社員がスムーズに業務に当たれるようにと、20新卒の提案で始まった
取り組みで、分からなかった用語は、各自がこの用語集に説明と併せて追記していく。
サグラダ・ファミリアのように長い時間を掛けて作り上げていくもの、という想いを込めて
名付けられた。

オンオフをうまく使い分け、効果的な教育体制を築けた

―デイリー共有会以外にも、教育・育成面での変化や、新しく取り入れたことはありますか?

青木:営業の研修も大きく変えました。コロナ禍でリモートワークがメインになり、より効果的な教育方法を作りだすことが大きなミッションで、施策の1つが、先述したデイリー共有会での学びのシェア。もう一つが、試行錯誤の末にローンチした「マクロミルセールスアカデミア(以下、MSA)」という動画コンテンツです。マクロミルの営業社員として抑えておきたいスキルや要件を定義し、それらが習得できる動画コンテンツを集約した、教育のプラットフォームを作りました。社員が講師に立った動画コンテンツは、全部で82もあり、今も増え続けているんですよ。多岐にわたるマクロミルのプロダクトや、経理・法務をはじめとした関係各所の説明など、必要な情報は全てMSAに揃っている状態にしました。
MSAの利点は、いつでもどこでも何度でも視聴できるところ。視聴しながら周囲と感想を話し合い、理解を深めている若手社員もいて、効果的に活用してもらえて嬉しいです。

小松田:私もMSAのコンテンツで色々と勉強をしていて、会社や事業の理解にとても役立っています。リモートワーク環境下では、業務で関わりの少ない部署がどんなことをしているのか見えづらいですが、MSAではバックオフィスのことなども広く知ることができるので、自社についてはもちろん、お客様のビジネスフローについても理解が及ぶようになりました。会社全体の動きが見えると、一つひとつの仕事をタスクとして“こなす“のではなく、ビジネスの一端を担う気持ちが持てるのでやりがいを一層感じられます。

青木:MSAには、スキルチェックシートというものを用意しています。ただ動画を視聴するだけでは、良いインプットにはなりません。必要なスキルがチェックシートで可視化されていて、そのスキルを体得するための情報や内容がどの動画で解説されているのかが一目で分かる構造になっていることがポイントです。「学習→スキルの定着→実務で活用」の繰り返しが大切ですね。
MSAは現状主に営業向けの教育プラットフォームとして活用していますが、必要なスキルの可視化や、それらが学べるコンテンツ拡充の知見は他の職種でも活かせると思うので、全社施策につなげていきたいと思っています。

▲マクロミルセールスアカデミアでは、探しやすいように全ての動画がサムネイル付き。
講師に立った社員には、「YouTuberになったつもりで、分かりやすく、熱量を持って
話して欲しい」と依頼した。

―対面を前提としない教育体制を整えられたのですね。新入社員とのコミュニケーションの観点で工夫されていることはありますか?

青木:教育や育成自体は、リモートワーク環境であっても効果的な事例を作ることができたと思っています。一方で関係性構築や、メンタル面のケアをといった部分では、社会状況も考慮した上で、対面でのコミュニケーションも活用しています。例えば、緊急事態宣言が出ていない時期は、主に新卒社員を対象として、週2日出社推奨日を設けていますし、社会状況が落ち着いている時には、新卒社員の歓迎会としてBBQを開催したこともあります。
また、リモートワークだと顔が見えない分、不調に気づきにくいこともあるので、20新卒、21新卒の営業配属メンバーには全員、他部署のマネジャーがメンターとして、毎日のようにオンラインで面談をし、業務面だけでなくメンタル面でもサポートしています。

下山:リモートワークであっても、対面と変わらず成長できるツールや環境は整えていますが、それらを提供してただ個々人に委ねるだけでは成長の加速は難しいと思っています。入社後は歓迎の意思表示をきちんと伝えたり、マクロミルで働くことに安心感を持ってもらったりすることは前提として、アウトプットの機会や、部署全体のコミュニケーションの場を設けることも大切です。今後もオンラインとオフラインどちらも活用して、新入社員に対する密なコミュニケーションを設計していきたいですね。

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▲新入社員の歓迎BBQ。先輩社員が新卒社員をおもてなしした。
※社会状況が落ち着いている時期に開催し、写真撮影時のみマスクを外しています。

おわりに

世の中の動きや働き方の変化に伴い、新組織を立ち上げて営業体制を見直し、教育の仕組みを刷新したSDUの皆さん。「組織が立ち上がった当初は、正直カオスでした(笑)」という言葉から、様々な苦労や困難があったことが伺えました。しかし、皆さんのフォローにより、20新卒や21新卒はもちろん、中途入社の営業社員も皆順調な立ち上がりを見せています。
今回の取材で、「もっと進化したい。変わることを大切にしていきたい。」という青木さんの言葉が印象的でした。今後もSDUの皆さんの進化を楽しみにしています!

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