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新型コロナ流行後の「食品/飲料・日用品」新規ユーザー特性とは?【セミナーダイジェスト】

皆さんはじめまして。マクロミルの菅原です。
「リサーチ×データ」次世代ソリューションを推進する統合データ事業本部で、購買データを起点にFMCG領域を中心とした営業をしております。

今回は2020年12月に実施したマクロミル主催のWebセミナー、「コロナ影響下の業態動向と、需要拡大の一因である『新規ユーザー』の特性理解」の内容を、ダイジェスト形式でご紹介したいと思います。

このセミナーでは、コロナにより販売好調との報道が増えた食品/飲料・日用品カテゴリの業界動向と、テレワーク普及や巣ごもりにより新たに獲得できた「新規ユーザー」の特性を、マクロミルの消費者購買履歴データ『QPR』を使って分析しています。

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セミナー開催の背景と概要


新型コロナウイルス感染症の流行により、外出自粛など普段とは異なる生活の中で購買行動も変わり、国内企業の業績は二極化が鮮明になりました。

食品/飲料・日用消費財カテゴリでは、テレワークの普及と巣ごもり消費を背景に販売好調の報道が増加しました。この需要拡大(好調/伸長/躍進/成長)の裏には「新規ユーザー」の獲得も一因にあります。

このセミナーでは、コロナ禍における各業態の動向と「新規ユーザー」の特性を理解するため、コロナ影響下の2020年2月~8月の期間と前年の消費動向を比較した分析結果をご紹介しました。さらに、“中華料理の素”と“プレミックス”の2カテゴリを例に、深ぼり分析を実施し今後の示唆をまとめました。(図:セミナー提示資料)

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業態動向:報道とほぼ同様にスーパーとドラッグストア、通販が好調/他業態からの獲得が顕著

本題である新規ユーザーの話に入る前に、コロナ禍における各業態の動向に関してまずお話すると、多くの報道や調査、経済産業省の商業動態統計と同じく、QPRでもスーパーやドラッグストア、通販において好調な様子が見て取れました。

QPRデータでコロナ前後の業態間のスイッチ分析(対象:食品+日用品)を見ると、こちらもやはり他業態からスーパー、ドラッグストアへの流出が顕著なことが分かります。通販も他業態からの獲得で伸長しており、一般小売店(専門店、大型店)からの流入が確認できます。下記はWebセミナー提示資料を引用していますが、グラフ上部の矢印のついた円がスーパー(SM)、そこから時計回りに、ドラッグストア(DRUG)、ホームセンター(HC)、通販などを表しています。

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視点を変えて各カテゴリでの動向を見ると、食品カテゴリは各指標が伸長、日用品は購入者あたり回数が前年109%伸長と、それぞれ特徴が見て取れます。

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なお、こちらでは公開していませんが、同Webセミナー資料本編では、購入率の上昇率トップ20カテゴリを食品・日用品ごとにまとめており、食品ではホームメーキング材料や関連商材、冷凍食品がランクインしていました。自宅でのお菓子作りや自宅での簡便調理ニーズが顕在化したようです。ご興味を持たれた方は、本記事末尾にある資料請求方法をご参照の上、お問合せいただければ幸いです。

「カテゴリ新規」の獲得状況:約7割のカテゴリで新規購入率が増加

今回の分析では、2020年2月~8月における、直前の「1年間(19年2月-20年1月)に購入経験なし」の購入者をカテゴリ新規と定義し、その動向を確認しました。(図:Webセミナー提示資料)

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以下で示している通り、食品/飲料・日用品では約7割のカテゴリで前年から新規購入率が増加している一方で、新規購入者が減少したカテゴリでは日用品、化粧品関連が多数を占め、外出が減ったことの影響が伺えます。

・増加した:ハンドソープ、マスク、スパゲッティなど
・減少した:紅茶ドリンク、リップカラー、UVケアなど
  ※詳細はWebセミナー資料に掲載

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新規特性:時期尚早?中華料理の素、プレミックスから見た新規ユーザーのポテンシャル判断

そしていよいよ新規ユーザーの分析です。「中華料理の素」と「プレミックス」を例に、新規ユーザーのポテンシャルを見ていきます。

2020年4月に緊急事態宣言が発令された当時、売り切れでしばらく購入できなかった方も多いのではないでしょうか。下記のWebセミナー資料を見ると、いずれのカテゴリも前年伸長を維持しており、4月がピークとなっています。

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また、QPRの購買データと、QPRモニターへのWebアンケートによって聴取した意識・価値観データを用いて、両カテゴリの新規者の特性をまとめたのが下記の資料です。

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こちらより一部抜粋すると、

・両カテゴリの新規ユーザーは購入機会数、リピート率ともに既存ユーザーに劣る。
・新規ユーザーはレシピサイトや料理メディアの利用率が低い。
・既存ユーザーと比較して(価格感度や情報収集の面で)「買い物上手」とはいえない一面があり、パーソナリティ特性として「自分らしさ重視」「健康関心度が低い」傾向がある。
            ※詳細はWebセミナー資料からご確認ください。

ここから推察できるのは、このカテゴリで現時点(2020年12月)での新規ユーザーのポテンシャル判断は、時期尚早だということです。新規定着のための施策は、プライオリティを下げることも検討してよいのではないでしょうか。例えば、「中華料理の素」新規ユーザーは、「家族がまとまっていることはとても大切である」の項目が低い事から、大皿を囲む従来の訴求、ターゲットとは異なるようです。

これらの結果から、新規ユーザーへカテゴリ・商品・ブランドから得られる商品価値が伝わっていない、もしくはフィットしていない可能性があります。

新規ユーザーの獲得には経験価値の訴求と共に、コミュニケーションにおけるクリエイティブやコンテンツの再検討、売り場POPや商品PKGの見直し、購買頻度の高いカテゴリとのクロスMDなど、現状施策の再点検が必要そうです。

ファクトに基づく議論のため、リサーチの文脈ではさらに、
・商品満足度や定着のバリア探索
・インタビューによるカスタマージャーニーの整理
・新規ユーザーのセグメンテーションやペルソナ作成
なども考えられると思います。今後の施策へのアイデアをお求めの方は、ぜひマクロミルへお気軽にご相談ください。少しでもお力になれれば幸いです。

最後までお付き合いくださいましてありがとうございました。
再掲になりますが、本Webセミナー資料は下記要領にてダウンロードいただくことも可能です。ぜひお気軽にお問合せください。

【資料請求方法】
こちらのサイトにアクセスの上、「市場調査レポート」<「キーワードで検索」に行っていただき、資料タイトル『コロナ影響下の業態動向と需要拡大の一因である「新規ユーザー」の特性理解』とご入力・検索ください。

*** 筆者紹介 ***

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マクロミル 統合データ事業本部 菅原耕平
2016年にリサーチ営業としてマクロミルに入社。実購買データ(QPR/MHS)のサービス担当として新規開拓から、大手のFMCG領域の企業様まで幅広く業務を担当。2019年から次世代ソリューションを推進する統合データ事業本部にジョイン。基本サービスから専門プロダクトまでワンパーソンでお客様を支援する統合データ営業として、現在もFMCG領域の企業様を担当。

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