6.3 足立区S造マンションが4.5%で売れた理由

2020年の3月末に足立区にあるS造のEV付マンションを売却しました。コロナショックの中、NOI利回り4.5%で売却したと言うと驚かれます。しかし、これは「数打ちゃ当たる」で、たまたま売れた再現性がないものではなく、戦略的にマーケティングした結果です。

1. マンションを高利回りで売却するための秘訣「ターゲティング」

では、どうやって売却したか。キーワードは「ターゲティング」です。

売り始めた当初は、どこの仲介会社に委託したらいいのか分からず、どの仲介に打診しても「足立区は新築でも利回り6%ないと買い手がつかない」「5%台ではまず売れない」と否定的なことしか言われませんでした。その理由を聞いても「相場だから」としか言われず、ロジカルな説明をできる人はいませんでした。

仲介の立場からすると「安くした方が早く売れる」為、価格を下げることしか言いません。仲介の顧客ニーズに合えば、両手仲介できるというインセンティブが働くからです。ポータルサイトに乗ってる物件が悪いとされてるのは不動産会社が売主をDMで高値で釣って売る気にさせて、まず高い値段で載せてから、やはり売れないですねと相場まで下げていく過程のものが多いです。

2. 高く売却するための6つの”ウリ”ポイント

まず、高く売るためにどうしたらいいか改めて整理しました。課題だったのは、物件のウリになるポイントをアピールできていないこと。

過去の売買事例を見ても、足立区の物件が高く売れた事例があるわけで、価格が問題ではありません。高く評価されるには何が必要か徹底的に分析しました。ここで言うウリとは、

■1) 売却価格と積算価格が乖離している=圧縮率が高い
■2) リスク分散できている=戸数分散率が高い
■3) 近隣競合に比べてデザイン性が高い=競合優位性
■4) 築浅でピカピカ
■5) 満室・安定稼働していた
■6) 過去3年間の騰落率が5%以上

この6つのポイントを全面的にアピールすることにしました。

3. 効率的なマーケティング方法と仲介会社の選び方

次に考えたのはどうやって効率的にマーケティングするか、どこの仲介会社を使うかでした。各仲介の強み、買主のリスト、マーケティング方法が違うのに、それが把握できていないことが課題でした。そのため、売却先ターゲットを大きく4つにカテゴリー分けすることにしました。

A. 相続税対策=節税対策の資産家
B. 事業目的=リノベ再販目的の不動産会社、ボロビル再生目的のメガ大家
C.投資目的=長期運用目的のリート、キャピタルゲイン狙いの外国人、ステータス目的の経営者
D.自己利用目的=利便性重視の実需

こうして分類してみると、それぞれの目的や属性によって、重視するポイントが異なります。

例えば、相続税対策目的の買主は、利回りよりも、資産を圧縮して節税する「圧縮率」を重視します。積算と売却価格が乖離していれば乖離しているほど、資産圧縮効果(資産を圧縮して、相続税を節税できる効果)があるので、高い価格でも購入する可能性があります。つまり、地方のボロビルではなく、都心の六本木にあるピカピカの高級新築ビルを好むわけです。

一方で、サラリーマン投資家の多くは「フルローン」を希望します。なるべく自己資金を使わないように、銀行評価が高い=積算評価が高い物件を好みます。対象は、都心の新築ピカピカ物件ではなく、地方にあるボロボロの高利回り物件です。このように、

二者の投資基準は真逆で、探す物件が異なるわけです。

今までは仲介会社が「数打てば当たる方式」で、購入目的など関係なく、ポータルサイト掲載、テレアポ、メール一斉配信、ホームページ一般公開など、情報拡散していました。必要のない人にまで無駄に情報を提供していたのです。こうした非効率な売却活動はこれからの時代に合いません。

4. 不動産における売却先ターゲットマーケティング

次世代型の売却活動は「物件の特徴を分析して、投資基準に合った人にピンポイントにターゲティングする。これを.「売却先ターゲットマーケティング」と呼んでいます。

ターゲットマーケティングして、行動しても結果がついてこないなら、次はフィードバック分析。『課題が何が原因か分析せずマーケティングしていたとき』営業しても売れないのは当たり前です。無駄な努力とはこのことです。『分析しまくってマーケティングしたとき』こそ、努力は報われます。

ちなみに、足立区の物件を試験的にポータルサイトに掲載しましたが、反響はほとんどありませんでした。一方、仲介へのヒアリング結果をもとに、誰が最も高く買ってくれるか、売却先を絞りました。結果として、A. カテゴリーの相続対策を顧客に持つ仲介会社をリストアップし、ピンポイントでマーケティングしたところ、時間がかかりましたが、最終的に埼玉県に住む資産家が買ってくれました。

トライして失敗したら、反省と分析をグルグルまわして改善していくことが重要です。こうしたPDCAのない無駄な努力は意味ありません。このプロセスがないと、いつまでも次のステージに行けません。伸びる投資家は常に進化するためにトライをしています。

これからの時代は、「ターゲットマーケティング+PDCA管理する」システムを使った売却方法にシフトしていきます。売却先ターゲットを明確にし、PDCAを回した結果、足立区でも利回り4.5%という高値で売れたのです。モチベーションうんぬん言う前に、無様でもこれを愚直にやる人が勝ちます。短期的には負ける確率は高いですが、長期では100%勝ちます。

おまけ~セミナー案内~

最後に、弊社主催のセミナーの御案内です。

11月11日(水)19:00-21:00
「都心新築RC利回り10%をAIで仕入れる新築不動産投資セミナー」
入場券(現地参加):¥3,000(軽食・ドリンク付)
入場券(オンライン):¥1,000

https://peatix.com/event/1697582


11月18日(水)19:00-21:00
「不動産を最高値で売却するAIシステム~END REACH Analytics~」
入場券(現地参加):¥3,000(軽食・ドリンク付)
入場券(オンライン):¥1,000

https://peatix.com/event/1698025


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