3.6 買えない人によくある間違った買い方

1. 「買える人」と「買えない人」

不動産業界で10年近くキャリアを積んできましたが、買える人と買えない人に、明確な差があることが分かりました。

買えない人

「買えない」人の特徴は、大した戦略も考えずに、今は「物件価格が高いから」とか、「融資が厳しいから」など、景気のせいにする人、融資のせいにする人、業者のせいにする人、物件のせいにする人です。

景気がいいとき→今は物件価格が高くて買えない
不景気になったら→今は融資が出なくて買えない
融資が出て価格も安い時→競合が多くて買えない

買える人

一方で、「買える」人は、タイミング関わらず、いつでもどんな状況でも買えていました。融資が出ないときは物件が安いとき、価格が高いときは資産入れ替えをするとき、という考え方で、その時期にあった最適な投資法で投資しています。株投資でいう、ドルコスト平均法と同じで、いいときも悪いときも、コンスタントに買い続けることが重要です。

2. ポータルサイトの落とし穴

「買えない」人の多くは、Suumo、楽待、健美家、athomeなどのポータルサイトを使って探すという特徴があります。ポータルサイトは物件を手軽に探せて、確かに便利です。

しかし、これは「買えない人」によくある間違った探し方です。

ポータルサイトのビジネスモデルを理解する

そもそも、ポータルサイトは、売主が物件を売却するためのサービスであり、買主のために作られていません。あくまで、売主が広告費を支払い、売主を顧客とした広告ビジネスです。

ポータルサイトは、売主の「高く売りたい」ことを重視しますから、買主が「安く買う」ことはほとんど考えられていません。理由は簡単、利益相反するからです。

ポータルサイト運営者は、多額の広告費を使ってプロモーションし、買主に無料で利用させて、売主の物件をできるだけ高く売れるようにします。そのため、当然の事ながら、収支に見合う物件を見つけるのは非常に難しいわけです。

カボチャの馬車、築古地方物件の三為業者、TATERUの事例で明らかですが、売主の暴利を得るためのプロモーションをしていたわけです。しかし、いざ問題がおきると、広告主を擁護するどころか、掌を返してネガティブキャンペーンをするようになります。これが広告ビジネスモデルの実態です。

どこで物件を探すべきか

では、買えるようになるには、どこで物件を探したらいいのか?を解説します。

まず、ポータルサイトに掲載する物件は、売主が広告費を負担しないと売れない物件(まれに、急ぎで安値で掲載されることもありますがレアケースです)ということを認識しましょう。

売れる物件は、非公開で仲介担当が決済力がある投資家にこっそり持ち込むか、不動産会社の自社サイトに掲載されます。こういう慣習をわかっている買主は、売主もしくは仲介会社の自社サイトを定期的にモニタリングしています。

事実、私の経験上、自社サイトに掲載されていいと思った物件は、数日の間に売れています。

ポータルサイトで物件を探さない理由は、一般に出回っていても誰も買いたがらない物件だからです。サイト上で売れ残りの物件をわざわざ買う必要はありません。広告費かけて一般公開されている無料の物件情報ほど高いものはありません。買えないでしょう。

3. 非公開情報の集め方

では、その非公開情報や優良物件を「誰から」「どうやって」集めるか。

まず、手っ取り早いのは、仲介会社の自社サイトを定期的にチェックすることです。毎日、仲介の自社サイトをチェックする根気と努力があれば、いずれいい物件に巡り合うことができるでしょう。しかし、全国に12万社の宅建業者があり、全てのサイトを抜け漏れなくチェックするのは不可能です。

AIを用いた物件探し

そこで、AIの力を借ります。

私の場合、独自のデータベースを作り、エリア、価格、容積、地型の点などから「毎日」AIが情報を集めて、物件をスコアリングします。そのスコアリング評価が高い物件を自分に通知させて、物件が出た瞬間に買付を入れています。

このシステムにより、誰よりも早く情報にアクセスでき、かつ効率的に情報を集めることができます。

スピードが早ければ、他が検討する前に売主と有利な状態で交渉ができます。そして、買えるようになると、情報は「買える」人にどんどん集まるようになります。

そのプロセスを繰り返しながら、仲介会社からの非公開情報が増え、超優良物件に巡り合えるという仕組みです。

ポータルサイトにはもう一つ問題があります。それは物件の基本的な情報しかないことです。

相場より高いのか低いのか比較がなく、物件の良し悪しが分かりません。単価比較でどうなのか、利回りがどのくらいになるのか、手を加えたらどのくらいの利益になるのか、直感的に分からず、詳しく計算しないといけません。ましてや、情報量が多くなればなるほど、人間の目では処理仕切れず、見落とすこともあります。属人的なやり方では非効率で時間がかかりすぎてしまいます。

あと、「買えない」人によくあるのは、設計・企画がボトルネックになっているケースです。土地を見つけたとしても、実際にプランが入るかどうかがポイントです。

個人投資家は、建築系のネットワークを持っている人が少なく、いい設計士を見つけるのに時間がかかります。

一般的に、見知らぬ設計会社に電話してボリュームプランを依頼すると、10万近くかかり、3週間ほど時間がかかります。私も当初は、ボリュームプランに時間がかかりすぎていました。お金をかけてプランを作ったにも関わらず、スピードが遅すぎて現金買いの業者に奪われることが多く、何度も機会損失しました。設計・企画検討から購入決定まで2週間は明らかに時間がかかりすぎていたのです。

MANDEVEの誕生

こうした苦い経験から、初期段階で投資判断ができる仕組みが必要だと考え、秒速3Dボリュームプランしてスコアリングするアプリ「MANDEVE」を開発したのです。

これを開発してからは、物件情報が来てモノの1分たらずで、検討判断できるようになりました。また、クラウド保存してLINEやメールでシェアすることができるので、社内で仕入れ物件を一元管理できるようになりました。投資基準を可視化すると、他との比較しやすく、仕入れに役立っています。

買えないボトルネックの原因は何か? 情報量、情報の質、スピード、判断力のいずれかが原因です。このボトルネックを解消できなければ、同じ失敗を繰り返し、いつまで経っても買えない負け組です。

参考程度に、MANDEVEのプレスリリース、参考動画を掲載します。是非、参考にしてみて下さい。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000046231.html


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