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【ハタチの集い舞台裏話】着付師デビュー

新成人のみなさまおめでとうございます。

被災地域では、晴れ着を着ることが、今は叶わなかった方々もいるのかなと思いつつ…
目の前のお客様の振袖を着付けして、遅れることなく式典に送り出すこと。私に今できることをさせていただきました。

1月7日、8日の2日間で、着付師デビューをしました。学校集合で、先生や先輩方と一緒に移動できたので、私は安心感がありました。

1月7日、始発の地下鉄に乗り朝6時に学校前集合。それから車に乗り込み飯塚市に移動しました。着いたらすでにメイクを進めているお客様達がいらっしゃいました。私たちは8人で2階の着付ブースへ。

ふたり着付(前と後ろをペアで)をします。
私はペアではなく、紐や帯板やタオルなど物を揃えて渡す役をしました。先輩方の着付を見るのがかなり勉強になりました。その中の4名は後ろを担当させていただき、帯も結びました。1人、前を担当させていただきました。先生がちょこちょことチェックしてくださるのも心強かったです。

12:00頃に終わって車に乗り込み、また学校まで戻り、一度帰宅しました。8日の福岡市の着付の為、またその夜には学校集合です。

昼間に数時間眠り23:30くらいに学校へ戻りました。私が到着すると、すでにみなさん到着されていて、帯結びの練習をしています。先生方にも、「明日は、思っているよりキツいよ。厳しいからね!教えた決まりごとを全部しないとやりなおしあるかもよ」と言われて、ビビりながら私もスタンの前に立ち、帯結びの練習。
先生が、ちょこちょこ覗きに来ては声をかけてこられます。「明日は浮いている人いないからね。みんな、主役。前の人、後ろの人2人でがんばるのよ」
気合いが入ります。時計を見ると0:30。おおおー、こんな夜中に帯を結んでいるなんて…

少しして、教室長が来ました。「電気消そうか。ちょっと眠ったら?」みんな毛布を配られて、畳の上でスーツ着て雑魚寝です。消灯されて、それぞれ横になりました。うーん…全然眠れない…。暗闇で目が慣れてきて、白い肌着を着せられたスタンが目の前に3人立っている…こ、怖いっ。
私は毛布をくぐっとかぶり、目を瞑ります。ね、寝れん……スタンのおばけ妄想しながらモジモジしていると、いつのまにか、ふっと落ちました。が…バチっと電気をつけられたではありませんか。眩しい、もう2時!?ガーン、ほぼ寝れんかった。

みんな寝ぼけた顔で、バックからおもむろに取り出したおにぎりやらパンやらを食べています。私とお稽古がよく一緒になる方が「こんな変な時間に起きておにぎり食べてる人、富士山に登る途中の人みたいやん、行ったことないけど」と呟き、みんな大爆笑。
畳の上にいい年した大人達が雑魚寝して寝ぼけた顔でおにぎりムシャムシャ。「ほんとですね!今から山頂に向かって」「ご来光よ」

2021.1 伯母が
テレビのご来光を撮影して
LINEで送ってくれたの


ワイワイと、みんな目が覚めてきて、1グループ2時半出発。
私は2グループで、3時半出発で4時現地入りでした。

私はベテランさんとペアを組んで後ろの担当です。5時半に着付けを開始しました。お嬢様達、みんなニコニコしていて可愛かったです。
着物もそれぞれ華やかな色と模様。ブーツで着物のお嬢様も数名いらっしゃいました。襟も帯上げも帯紐も、普段の練習しているものから比べると、遥かに華やかなもので、装飾も色々着いています。
着付中も、適度に声をかけたり会話したりしながら進めて、お母様の着物の持ち込み、レンタル(お父さんが選んだ着物、自分で選んだ着物、お母さんが選んだ着物)、購入した着物、さまざまな物語を知りました。

私は一級試験の課題だった「織姫」が得意なので、織姫と他数種の帯結びを準備して臨みました。
やってみると、体型により帯の長さ足りなくて織姫できない!などが数回あり、即興で編み出した結び方もありました。私、やればできる子。

うちの学校からは12名の着付師。隣のブースも団体の着付師さん達がそのくらいの人数。
新成人の皆様120名ほどを着付けしました。
私と先輩ペアは9名担当できました。
(2時半の1グループは別会場の着付)

12:00には全員を笑顔で送り出して14:00スタートの【ハタチの集い】に間に合わせました。

終わった時の着付師達のテンションの高さ、達成感、皆ひとまずほっとした様子でした。お客様も着付師側も笑顔溢れる仕事でした。(1日着崩れしなかったかなど、その後も色々あるようです)

晴れ着姿の新成人、町で見かけられた方はいらっしゃいますか?その裏方ではかなりのスタッフが深夜から動いています。

終わって外に出ると太陽は真上を過ぎた頃でした。
「ご来光っていうか、真っ昼間やん」
「眩しい〜」
「寝よ、寝よ」
「おつかれさまでしたー」


2024お正月凧揚げ
「高く高く飛べ〜」




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