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組織開発がなぜ必要か?

どのような会社や組織でも必ず人材の育成はしていると思います。

新人社員が入ってきたら業務のやり方を教えだけではなく、できる業務の範囲やレベルが上がっていくように指導していることでしょう。

日本の企業は、丁稚奉公時代からすでに人を育てるという概念があり、ずっと行ってきたことです。

西欧では、アメリカにおいて1900年初頭から、経営資源としての人材と捉えられて人材開発が広がりました。

いずれにしても、人材開発・人材育成は、個人を育てることによって組織パフォーマンスを高めることを指します。

一方で、組織開発とは、組織を成長させることによって組織パフォーマンスを高めることを指します。

組織を成長させる=チームを成長させる/関係性を成長させる/コミュニケーションレベルを成長させることです。

組織開発と一言で言っても、とても幅が広く、1対1の話し合いで活用するコーチング、複数人で活用するチームビルディング、大勢で活用するホールシステムアプローチなどがあります。

ただ、いずれにも共通することは、
コミュニケーションを取ることで認識のズレ・価値観のズレ・優先順位のズレを改善する、関係性を向上させる、意欲を高めることをして、組織のパフォーマンスを向上させます。

とくに今回は、ホールシステムアプローチに焦点を当てて話したいと思います。

ホールシステムアプローチとは、関係者を一堂に集めて、背景、前提、文脈を共有して、認識のズレを解消しながら、それぞれの立場からの意見を出し合い物事を考えたり決めていくことです。

日本組織に昔から多いのが、根回しです。
会議前にあらかじめ根回しをしておき、正式な決定機会である会議時に予定調和に進めていく。そのような経験を皆さんもしたことされたことあるのではないでしょうか?

根回しすること自体はすべて悪いわけではありません。会議の場で突然話す前に自分の考えを共有しておくことはとてもよいことです。ただ、次の会議でこうしようと、こう持っていこうと根回しをすると、その会議のクリエイティブさはなくなりますし、その会議で新たな創造は起きません。

この根回し文化や、個別相談で物事が進むことによって、認識のズレが加速します。それは当然で、認識についてのタイムラグが必ず起こるからです。

たとえば、Aさん、Bさん、Cさんという3人チームがいたときに、それぞれが決められたことを各々で進めることになっていました。
ところが、AさんとBさんは話し合いを行いやり方を変えようと方向転換を考え始めました。それを知らないCさんは、今のやり方をさらに加速する方法を一人で考えていました。その後にCさんは、AさんBさんに、チームのやり方を変えようと告げられます。この時点で、Cさんは、両者と認識のズレ、行動のズレが生じています。

組織では、このようなことが頻繁に起こっているのを目にします。

ホールシステムアプローチは、その場で皆の意見を出し合って決めていくわけですから、これとは全く逆のアプローチ方法と言えます。

一堂に会すことで、皆で認識をそろえることができます。
特に、利害関係者が多い中で、最終ゴールや目指すビジョンをなど大きなテーマを話合うときにはとても有効です。

もし、一堂に集まることができない場合はどうしたらよいのか、それはまた別のコラムで紹介したいと思います。


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