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「ニセの偏平足」に陥っていませんか?

偏平足に偽物があることにお気づきだろうか。

偏平足といえば、土踏まずが無いことである。土踏まずが無いということは足のアーチが無いということになる。これにより、さまざまな不都合が生まれ体の痛みなどの不調に至るというものである。

幼児期はすべての人間が偏平足で、活発に動くようになると遅くても10歳位までには土踏まずができて偏平足が解消する。

おかしなことにその後、再び偏平足が発生するのだ。

原因は運動不足や筋力の低下ということになる。
そこが私には理解できない。

というのも、中学生で運動を厳しく一生懸命やっている子のほとんどは偏平足の要素が大きく出始めている。また、運動などはやってはいないが通勤などでしっかりと歩いている社会人のほとんど。子供を忙しく育児しながら家事をこなす主婦。近年、大部分の人の足に偏平足が大なり小なり起こっているからである。

筋力の低下が原因ならばどこまで鍛えれば良いのだろうか。

しかも、特に厳しく運動していれば「鍛えられて足底にまで筋肉ができたから偏平足ではない」と肯定的な評価を下す。しかしどの人も必ず痛みなどの不調を経験することになるのだ。ただ、その時は偏平足のせいではなくなっている。

問題視するわりに都合よく見過ごされるのだ。

実はこの足裏の筋肉が発達した状態こそが「ニセの偏平足」である。

原因は、重心が後ろのまま生活や運動をしているからである。
現代人はとかく踵(カカト)に重さをかけるとか、踵から着して歩くとか、踵を重視する傾向にある。

しかし、体の動きを観察すれば、動きの起点は「つま先」である。歩いたり走ったりするとき、地面を押すのは「つま先」で、方向転換するときも「つま先」の方向である。もっと言えば、スポーツ選手で踵をついてパフォーマンスしている人は皆無である。

立った状態で踵に重さをかけていくと後ろに倒れる。その時つま先は浮きそうになるが、倒れないように指を反ったり、膝を曲げたりして、形式上なんとかつま先は付いた状態を維持する。ただ、あくまでも動きの起点はつま先である。浮きそうなつま先は足の形を変形させてでも重さがかかるように地面に着きに行く。

その時、土踏まずになるアーチをもっと深いアーチに変えていくのである。

ここで問題が発生する。適度なアーチを保った足裏にあった筋肉が、アーチが深くなったことで筋肉を短くしなければならなくなる。ということは、筋肉は無意識に収縮したことになる。筋肉が収縮するということは運動をしていることである。

つまり、深いアーチになるほどに足底の筋肉は24時間365日ずっと筋トレしていることになり、どんどんと発達していく。発達した筋肉は土踏まずを埋めてしまうのである。

「ニセの偏平足」ができあがる。
そして筋肉の発達が止まった時、不調を出すのである。

こうなると足の形に特徴的変化が出てくる。
「足の甲が高くなり、足の幅も広くなる。」
足のアーチが深くなることで甲が高くなり、甲が高くなれば安定させるために幅が広くなる。

日本人が足の幅が広いのはこのせいであろう。

その後、足の指が短く見えるようになり、足首が無くなって締まりがなくなる。こうなると動きにバネが無くなる。

ここからは不調のオンパレードである。O脚から始まり、膝の変形や痛み、足裏の痛みから外反母趾。体が疲れやすくなって、体全体の使い方が悪くなり、さまざまな不調や痛みを出していく。

「悪循環」である。

地面への接し方は慎重に考えなければならない事柄である。

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