mackkya

No Art No Life No Eat No Life No Cat No Lif…

mackkya

No Art No Life No Eat No Life No Cat No Life https://linktr.ee/mackkya

最近の記事

絶滅へのレクイエム〜ドードー

ドードーと言えば、「不思議の国のアリス」で有名な飛べない鳥です。 童話で有名だからと言って架空の生き物ではなく、かつてはモーリシャス島に生息していた実在の鳥で、人間によって絶滅させられました。 人間が島に来る前は、天敵がいなかったため警戒心も薄く、飛べない上にのんびりした性格で動きものろく、人を見ても逃げなかった様です。 そのため外来の捕食者にとっては格好の餌食で、人間による、食用だけでなく、娯楽や見世物としての乱獲、森林の開発による生息地の破壊、人が持ち込んだ犬やブタ、ネ

    • 真理はよみがえるだろうか ゴヤ<戦争の惨禍>全場面

      国立西洋美術館の常設展への入場で観ることが出来ます。 常設展はモネの「黄色いアイリス」など、 何度観ても素晴らしい展示です。 ゴヤの作品はスペイン戦争時の様子を描いたものですが、 現在過去未来のいかなる戦時中においても、 人間はこうなるという普遍的な描写です。 敵も味方もありません。 フランス兵に暴行されるスペイン人を描いた後に、「同じことだ」というタイトルでフランス兵に暴行するスペイン兵を描いており、戦争という大義名分の元の暴力、暴行、弱いものへの虐待、不条理、ゴヤ

      • 印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵

        前から行きたかったのですが中々予定が立たず、本日ようやく観て来ました。 平日にもかかわらず、受付は長蛇の列、会場も混雑していて、順路通りではなく、少しでも人だかりのない絵を人がまとまって来る前にランダムに全て観て回りました。 モネの「睡蓮」を始めとする、アメリカのウスター美術館が収集した多くの印象派絵画のコレクションを観ることが出来ます。 高齢のご婦人が絵の前に立ち止まりながら、毎回「あらまあ、すごい、写真かと思った」と感嘆の声をあげていましたが、どう感じるかは人それぞ

        • This Is Gallery

          ここ数年は絵を描いて定期的にギャラリーや公募展に出展しています。 これは、絵は描いて完成ではなく、いろいろな方に観ていただくことによって、初めて「生きて」くると考えているからです。 そして、今まで描いてきた作品をWEBギャラリーに掲載して行こうと考えていたところ、This Is Galleryという魅力的なサイトを見つけました。 よりアートを身近に感じて接することが出来る様な構成のアート販売サイトです。さっそく登録してみました。 絵を登録して、審査通過すると、まずはトッ

        絶滅へのレクイエム〜ドードー

          第33回全日本アートサロン絵画大賞展

          第33回全日本アートサロン絵画大賞展が2月8日に国立新美術館にて始まりました。この公募展は、「アートを愛し、描くことを楽しむ人のために。」がコンセプトです。今年は最年少2歳から、最年長97歳の方までの方から1328点の作品が応募されたそうです。 私は、2019年に初入選から今回で入選は4回目、選外は2回、入賞は一度もありませんが、毎年楽しみにしており、趣味で絵を描く毎年の目標にもなっています。 これも、たまたま久々に描いた絵が入選したことによるご縁な訳ですが、入選しなくて

          第33回全日本アートサロン絵画大賞展

          ある日森の中くまさんは嘆いた

           熊が人里に降りて来て捕殺されるケースが後を絶ちません。殺したくて殺している訳ではないという正論と、熊が可哀想だという感情論を対立させても、解決にはならないでしょう。  昨年は熊に関する書物をかなり読みました。 吉村昭「羆嵐」「羆」「熊撃ち」 木村盛武「慟哭の谷」 中山茂大「神々の復讐」  これらは、むしろ熊の恐ろしさを身につまされる様な作品です。  獣害史最大の惨劇「三毛別羆事件」の希少な目撃者である大川春義氏は、この事件の犠牲者の仇を討つために猟師となり、生涯に羆を1

          ある日森の中くまさんは嘆いた

          みちのく いとしい仏たち

           社寺仏閣にある仏像、観音像は威厳があり、厳かな雰囲気が漂っていて、拝観すると緊張感と共に気持ちが引き締まります。  ここに展示されているのは、江戸上方にある仏師が彫った神仏像ではなく、大工や木地師が彫った民間仏です。一体一体顔も表情も体型も全く異なり、見ているだけで微笑ましくなります。  親戚や近所の人を模して彫った様な親しみやすさは、緊張感というよりは癒される雰囲気で、日本の信仰も本来はアフリカやインディアンを始めとした土着的なものであったことが窺われます。 202

          みちのく いとしい仏たち

          「私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために」展

           エコロジー、環境問題は半世紀以上前から問題提起されています。  映画では「ゴジラ」が時代の変遷を経て海外でもリメイクされ続けるのも、1954年の「ゴジラ」第1作が、そもそも当時の社会環境問題である核実験から着想を得て製作されているからでしょう。  今年はそれから70年、環境破壊は速度を増し、ここ数十年で絶滅した動植物も数知れず、気候変動、食の問題など地球規模で危機的状況になっているのに、一般社会の中ではまだどこか他人事である様な空気感が漂っている様でなりません。  環

          「私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために」展

          キース・へリング展 アートをストリートへ

           その独特のデザインから、絵を見ただけで彼の作品だとわかるキース・ヘリング。アートを美術館、画廊からストリートへ拡散させた功労者です。  サブウェイ・ドローイングと言って、ニューヨークの地下鉄構内の掲示板にチョークで絵を描いたものが、通勤客の間で評判となり、その名を知られる様になった、まさにストリート・アートの先駆者。  私は彼とは年齢が近いせいか、絵を見ているだけで、当時流行った音楽やファッション、様々な記憶が蘇ってきました。  アートを見て感じることは人それぞれ、作

          キース・へリング展 アートをストリートへ

          「パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展―美の革命 ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ」

          「キュビズム」とは、20世紀初頭の代表的芸術運動で、人物、静物、風景等あらゆる対象を幾何学的に分析し、平面化して描く、ピカソやブラックによって始められた試みです。  アフリカの造形物などは、そもそも無意識にこのような手法で作られていて、それを見たピカソがその独特の力強い表現に衝撃を受けて、自らの表現方法を思い切り変えたわけです。  今回の展示の中で、私が好きな作品はファン・グリスの「ギター」。ギターの形状も色遣いも絶妙な表現です。  「破壊と創造」、アートだけでなく、何

          「パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展―美の革命 ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ」

          特別展「本阿弥光悦の大宇宙」

           そもそも本阿弥光悦とは何者なのでしょう。刀剣の鑑定、研磨などを家業としていたらしいですが、書、蒔絵、陶芸、漆芸等で日本文化に多大な影響を与えた芸術家として有名です。  Wikipediaでは、「江戸時代初期の数奇者」と紹介されています。  今回の展示を見て、光悦の本質が最もあらわれているのは、その書であると感じました。  激しくもなく弱々しくもなく、大胆過ぎず繊細過ぎず、大変安定した、見るだけで心落ち着く、ストイックな書体です。  こういう文字を書く人だからこそ、徳

          特別展「本阿弥光悦の大宇宙」

          太古の瞳〜マヌルネコ

           マヌルネコは、ネコ科の動物で最も古く、約600万年前から存在しており、その姿も変わらないので「世界最古の猫」と言われています。  毛皮を売るために現在も密猟されており、準絶滅危惧に指定、繁殖も条件が難しいので、上野動物園を始めとして日本でも絶滅させないために繁殖に取り組んでいます。  600万年前は人類もホモ・サピエンスは登場すらしておらず、アウストラロピテクスが二足歩行を始めたのが約400万年前なので、ネコ科だけでなくヒト科から見ても大先輩です。  人類が登場してから人に

          太古の瞳〜マヌルネコ

          猫とのご縁2/保護猫タマ

          6年間同居した猫ミーが亡くなってから20年。 父が亡くなり、私は何度もの転職をし、 最期迄看病した母が亡くなりました。 20年目の命日に、久々にミーが夢に出て来ました。 それまで夢に出てきた時は、 ミーが視覚的にそこにいるだけのものでしたが、 この時は20年ぶりにミーに触れる事が出来て、 ミーの感触は生きている時と同じくふわふわでした。 この年の夏、家内の体調が思わしくなく、 生きる張り合いにする為にも、 保護猫を迎えようという話になりました。 家内の希望はキジ白の子猫だっ

          猫とのご縁2/保護猫タマ

          猫とのご縁1/ミーとの出会いと別れ

          今から30年前、完全室内飼いがほとんどなかった時代の話です。 私が住んでいたアパートの近くのゴミ捨て場に、親子の猫が捨てられていました。 近所のおばさんが餌を与え、そのままうちの前の通りに住みつきました。 子猫が病気になり、子猫を舐めていた父猫も母猫も病気になり、子猫と父猫は亡くなりました。 残された母猫は、おばさんに動物病院に連れて行かれ、治療と避妊手術を受けて、戻って来ました。 おばさんの家の前で毎日餌待ちをしていた母猫は、仕事帰りに酒のつまみにちくわやチーズを買って帰る

          猫とのご縁1/ミーとの出会いと別れ

          公募展「猫と鳥たち」

          その時その時を一所懸命生きる動物達は、絵のモデルとしても一流です。 Gallery美の舎さんで公募展「猫と鳥たち」、私も3作品出展しています。 展示作品は美の舎さんHPのオンラインショップでもご覧下いただけます。 外出を控えている方も多いと思いますので、画面上でもお楽しみ下さい。 期間 2022年2月16日(水)ー26日(土)※21日、22日は休廊 時間 12:00-18:30  ※初日13:00より 最終日16:00まで 場所 Gallery美の舎 110-0001 東

          公募展「猫と鳥たち」

          「猫に学ぶ いかに良く生きるか」ジョン・グレイ著 鈴木晶訳

          よくある猫が可愛い、癒されるとかいったありきたりな内容ではなく、 歴史、哲学、文学から人と猫の関係を考察する非常に深い作品だった。 私も今は亡き猫や今家族として暮らしている猫からいつも学んでいる。 そもそも猫は「学ぶ」という概念も持たずに今を一所懸命生きるのみ。 人間の様に取り越し苦労過ぎ越し苦労という無駄な苦労は一切しない。 セネカの哲学や道元の禅の精神そのままに日々生きている様に見える。 その刹那の境地は人としての在り方として大いに学ぶべき姿勢である。

          「猫に学ぶ いかに良く生きるか」ジョン・グレイ著 鈴木晶訳