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詩|言の葉

水面みなもには
紅い落ち葉舟と
たった一行の言の葉が
浮かんでいた

言の葉が輪郭を持たず
消えたのは
揺蕩う舟のせいだろう

高瀬川を眺め乍ら
一行の空白を肴に
一献傾ければ

寄り添うていた体温は
朱い頬を髪で隠し
漸く凪ぎた水面から
楓の葉を一つ 掬った


あとがき

雰囲気大正時代。
名もなき作家がしたためた日誌的な。
書いてて楽しかったです。笑

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