見出し画像

【番外編】長男に生まれたかったお正月

初めましてのみなさまも、おなじみのあなたもこんにちは、MAKIです。

4人兄妹の賑やかな家庭で育ったわたしたちには
いとこがいません。
両親の兄弟は未婚だったり子どもがいなかったりで、
幼心に大人にもいろいろな事情があるのだなあと感じていた達観した子ども時代でした。

いつも思い出すのは、お正月。 

ここにいとこたちがもしいれば、
お年玉をもらえる時間にやいのやいのと盛り上がりを見せたのかもしれないけれど、
そこにはわたしたち4人だけ。

きっと大人たちからすれば、
なんてことはない区別だったのだと振り返るのですが
いとこのいないわたしたち4人兄妹は、
長男の兄と、わたし以下3姉妹
そのふたつにグループ分けをされていたように子どもの目には映るのでした。

分かりやすい区別が、お年玉の金額。
家督を継ぐ長男と、
いつかは嫁に行くその他女子3人。
(しっかり長女は出戻ったし次女は未婚ですが)


こってこての昭和の価値観を絵に描いたようにお持ち合わせのみなさまから
お年玉をもらえること、
それ自体は嬉しかったのだけれど

接しているときはやさしくって
いつもポジティブな言葉のシャワーを浴びせてくれる大好きなおばちゃんでさえ
お年玉の中身に本音が詰まっていました。


2歳しか違わないはずの兄のポチ袋だけは
年々厚みを増し
そのうち封筒の大きさも変わり
長男という期待を一身に背負い、
なにを思っていたのかは本人のみぞ知るのです。


わかりやすい依怙贔屓にさえアンチテーゼを唱えたがったわたしというひねくれた人間は
とうにオトナになった今でもこのころの想いが
辛酸というか、悲劇的に記憶され
誰かに負けたくない、が勝り
素直になるという感情を
男のひとと過ごしたベッドに置きざりにしたまま

負けたくないって思う時点で負けだよなぁと
ギャンブル依存症ってこんな感情なのだろうなぁと
理解され難い想いを抱えながら
ピエロのように哀しい笑みを浮かべて
毎日をやり過ごすのでした。




幼きわたしに大きな抱擁を。

つづく
#のかしら

いつもお立ち寄りくださりありがとうございます!これからも、必要な方に届くように言葉を紡いでいく予定です。あなたのサポートがチカラになります。お待ちしています。