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プロの料理人が家庭食のかかりつけ医になるという、新たな選択。

2020年、8月から
北鎌倉にある日本料理店「茶飯事」の大将と
家庭食の未来を切り開く、新しい料理教室の取り組みを始める。

飲食店(プロの料理人)と生活者の新しいパートナーシップとは?

そもそも取り組みの発端となった問いは何か?
それは、板前(プロの料理人)のこれからの役割は何か?というものだ。

図1

元々、飲食店の本来の立ち位置は外食だ。
外食にも様々な需要があった。

普段頑張っているご褒美,大切な人達との記念の時間を過ごす”ご馳走外食”や
手に届く価格で、美味しい食事にありつける”定食屋”
天ぷら、中華、イタリアンなど、特定の料理に特化した”専門料理”
うまい、早い、安いを代名詞とする”ファストフード”等だ。

しかし、コロナショックで、
ご馳走外食を初めとした外食需要が縮小する中、希望となるのは、
実需である日常食の需要は減らないという事だ。

むしろ、STAYHOME期間中、
「自炊がはかどった、いつもよりも楽しく料理するようになった。」
等の声も聞く。

従って、茶飯事さんと縁があるがゆえに、
対話を繰り返す中で以下の問いが生まれた。


料理人は、日常食の体験価値向上にどのように貢献できるか?

板前が家庭食のかかりつけ医になるという選択。

では、日常食の体験価値を向上するには、料理人は何ができるかを考えるにあたり、家庭食の食体験を分解してみると、多くの飲食店がデリバリー等、
食べる体験に焦点を当てている事が分かる。

図2

これまでやってきたやり方を手放して、
あえて、「食べる」以外の工程や、そこに潜むニーズを考えていくと

料理に関して、基本的な考え方や技術を学びたい

という、食ではなく、学びのニーズがある事に気づく。

では、料理の基本的な考え方や技術を学びたい飲食業界外の生活者にとって、現状の選択肢はどうか?

昨今、インスタントで手軽なレシピ動画などが台頭しており、表面的で手軽ではあっても、基本となる考えや、そもそもの本質を学べる選択肢は限定されている。

丁稚奉公的なお店への修行、調理学校も、人生全てを賭けなければならず、飲食店以外の業界で働いている人にとって優しい選択肢ではない。

そこで、基本の料理の考え方、技術を備えた、プロの料理人から、
自分にあった指導を受けられる料理教室を展開することにした。

では、どうやってこの価値を実現するのか?

「飲食店中心デザイン→参加者中心デザイン」「講義型の学びから、コミュニティ型の学びへ」


これまでの料理教室は、飲食店のファンが参加するものだった
そのため、料理教室のメニューやプログラムが飲食店が決めていた

一方、茶飯事料理教室では、コーディネーターが介在し、一人一人異なる、状況や課題、目標に応じて、練習メニューを決定する。

図1


 個別最適化された、実践に対して、料理人からフィードバックやアドバイスがもらえるという、体験が参加者中心設計になっている

ちなみに、これまでの料理教室は、大学の講義のように、1人の講師につき、10~30名程度の参加者がおり、講師が実演しながら、生徒も料理をする、一方通行で、その場限りだった。

教育業界でも、反転学習やプロジェクト学習への転換が起きているように、マス講義型の学びは、その質において時代から一歩遅れており、それこそ動画教材で代替できる。

学びや能力向上において、重要なのは、
課題設定と適切なフィードバックだ。

個別に異なる
フィードバックやアドバイスを受けられる事が重要にも関らず

マス講義型の学びは、講師は伝えることにいっぱいいっぱいで、
生徒を見てフィードバックことに力を注げない
(目が2つ、身体が1つ、口1つなので)

図3


これをコーディネーターが介在し、
反転学習型にシフトする事で、個別最適化学習が成立する。

なので、茶飯事料理教室では
一同に集う定例会で行っている練習メニューは一人一人ばらばらだ。

更に、コミュニティ型の学びへとシフトする事で、
実践機会がコミュニティ内で発生したり、他の人の学びが自分にも役立ったりと学びの広がりが期待できたり

ストックされた動画、記事教材が増えていく等の
その場限りではない知恵の累積化に繋がる。

板前が家庭食のかかりつけ医になるサービスは、職人と家庭食の未来を切り開く。


茶飯事オンライン料理教室は、
プロの料理人が家庭食のかかりつけ医になるという新しい役割が見いだされる。

そのため、ご馳走外食に携わる食のハレの文化の未来を切り開く。
では、ケの家庭食の未来はどうなるのか。

次回は、「板前が家庭食のかかりつけ医になるサービス」を通じて、
家庭食がどうのようになる未来を実現したいのか?

を書いてみたい。

共に、職人と家庭食の未来をつくりませんか?茶飯事料理教室2期生参加者募集中。




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