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■NHKよ 本気を出さないでー!

マスコミってナニ?(56)ニュースの存在を考える 「マスコミへの道」改

◇新聞業界にとっての「脅威」

新聞業界がNHKの脅威を訴えている。

日経新聞ほか、各紙が報じている。
NHKネット拡大に反対、新聞協会委 「テキスト撤退を」
NHKはネットに広告は出さない。当然だ。番組制作もニュース配信も税金に等しい受信料で運営しているのだから。
しかし、ずいぶん前からネット上の広告に「NHKで紹介された〇〇」というのが見られるように、日本国内のマスコミで最大、最強の影響力があるのはNHK(日本放送協会)だ。その番組で紹介されたことを鬼の首でも取ったように宣伝に利用するのは当然だろう。大NHKの名前に乗っかってのPRは目を覆うばかり、と感じる(最近減った気もするが)。

ニュースだけでなく、ドラマ、娯楽番組その他でもNHKの放送コンテンツは質量ともに最強。朝日、読売、日経、日テレ、TBSが合体してもNHKにはかなわない、と思う。

そのNHKが、インターネットでのニュース配信に力を入れて久しい。
僕はネットのニュースチェックを、ヤフーニュースとNHKを中心にしている。日経と朝日の電子版も契約しているが、それを見るよりも見やすい。NHKでは、わずらわしいポップアップの広告が出てこない。

以前は、ニュース番組で報じられた記事がほとんどか、速報、地震や台風などの防災情報を除けば、量、質では新聞社のネットニュースに比べ見劣りした。まったく本気を出していなかった。
それが、最近はニュース番組内で放送されなかったものを掘り下げた読み物としての記事がずいぶん増え、ニュース内で「詳しくはネットで…」とネットオリジナル記事の告知にも熱心である。

NHKの稲葉延雄会長(日銀出身)が、定例会見でネット業務の必須化に意欲 放送と同じ役割を」というように、今やイケイケモードなのである。

だがしかし、これはまさに官業の民業圧迫である。長年、新聞業界にいた僕としてはNHKは脅威だ。彼らが本気だしたら、朝日も読売も、各県でトップシェアを持つ地方紙もたまらないだろう。

一方、ブロガー・山本一郎が文春オンラインで「NHKをぶっこわーす」の内憂外患 、と書くようにNHKに「本気出してネットに力を入れろ、世界の潮流に遅れるな」という声もある。

右からは左寄りと見られ、左からは右寄りと政治的に報道姿勢や番組制作姿勢をとらえられるNHK。
自らも、新聞協会の一員でもあるが、新聞業界に忖度せず、なりふり構わぬ動きを見せるだろうか。

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