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【詩】「川の流れ」

舟で川を下る
船外機-エンジンのない小舟
乗るのは ぼくひとり

櫓はあるが 操り方はしらない
流れにまかせ
ゆっくりと 舟は進む

その先 ずっと先には
海がある
潮のにおいが 風に乗る

川面に橋の影が映る

橋 川 橋 川
陸には 古いビルが立ち並ぶ

ここは東京か
川の際までビルが迫る
東京 大阪――
大都会でしか見ない風景

小舟には 荷も載る
裸の むき出しの木片
ふぞろいな 木質もばらばらな
木片が山積みだ

何に使われるのか
重いもの 軽いもの
規格はずれの 木の部品――
これらが役立つのだろうか

川の流れのまま
押し出されるように ゆく小舟

荷も ぼくも
行き先も 目的も
今ある場所も わからない
ひたすら流されてゆく

川 橋 川 橋――

気づくと
ぎっしり並んでいたビルが まばらになってきた

そろそろ 海に出るのだろうが
戻ることもできず
流れてゆくまま
そして 漂うままに

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