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「学徒出陣」

1943年10月21日
東京・明治神宮外苑競技場(旧国立競技場)で
出陣学徒壮行会
2万5千人の大学生 専門学校生男子が
戦場に送られる――
その壮行式典があった

学生代表は
東条英機首相への答辞で言った

「生等(せいら)もとより生還を期せず」

何回聞いても
何回読んでも
ナミダがあふれる

今から80年前だ
生きている人がいれば
ほとんどが100歳前後
彼らは同世代の5%にも満たぬエリート

戦争 前線に行ったら最後なんだ
それは 80年前の太平洋戦争も
現代のウクライナVSロシアも同じ
生きて帰るなんて…困難の極み

「生等もとより生還を期せず」

そう言わなくたって
そういうことなんだ

この壮行会で 高々とそう読みあげた
東京帝大の学生は
前線に行くこともなく
内地で終戦を迎えた
戦後は学者としての生活を生きた

その心境については
最晩年になってようやく
口を開いた…
そりゃそうだ
戦後何十年も
彼が抱えた「思い」を口にできるはずはない

戦争というものは
そういうものだ

忘れるな

戦争というものは
すべての言葉を失わせるものなのだ

生きて還るなどとは
とんでもない たわ言だ
そう かつては教え込まれた

でも
そのとき
考えなかったのか――

そのときも
今も
考えろ 考えろ 考えろ!

彼ら若者を戦地に行かせるのは
絶対安全地帯にいる者どもだ

彼らは 連中は
絶対安全地帯にいるのだぞ
昔も 今も――

お前らは
それでも命を散らすのか

散ってゆきましょう 国のため――

80年前も
現代の ロシア ウクライナとて
同じなのだ

男気など 持つな
逃げろ 逃げろ 逃げろー

若者よ
命ある 若者よ
命を散らすな
逃げて 逃げて 
逃げ切るのだ

卑怯者――と 言わせておけ

生きるのだ


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