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■がんばれ! 東京新聞

マスコミってナニ?(37)

ニュースの存在を考える 「マスコミへの道」改

◇こんな重要なニュースを後追いしないのか

17日、東京新聞の1面トップの記事を見て驚いた。

見出しは上記写真のとおり。
「確率の根拠 タンス奥に」
「古文書90年超 検証の跡なし」

見出しだけでは、まったく意味不明
連載記事のタイトル「南海トラフ 揺らぐ80%」でも、よくわからない。

しかし、記事リードを読み、ようやくことの重大さに驚かされた。

東京新聞のネット版は、この「大特ダネ」を惜しげもなく(課金せず)載せている。
その見出しは、リードの内容を含んだ
『「巨大地震が起こる確率80%」の根拠がタンスの古文書って… あぜんとした記者は徹底検証のため高知へ向かった』というもの。

いつかはきっとくるという南海トラフ地震。それが起きれば、関東大震災や東日本大震災の比ではないことになる。

南海トラフ地震 静岡県の駿河湾から九州沖の海底に延びる溝(トラフ)沿いで起きる巨大地震。過去1400年の歴史上、100〜200年間隔で大地震が起きている。政府の中央防災会議は2012年、最悪の場合、死者が約32万人に上ると想定。地震調査委員会は13年に南海トラフ全域でマグニチュード(M)8以上の巨大地震が30年以内に起きる確率は60〜70%と発表。18年には年数の経過により70〜80%と引き上げられた。

東京新聞

しかし、この東京新聞記事では、国が――地震の専門家たちの予想、予測というものの根拠が極めてあいまいな古文書によるものでしかない、と断じているのである。
本当にそうであれば、この記事にあるように、「大地震が来る。全国民備えよ!」と訴えることで利益を得る、地震学者や防災の専門家、それらと利害関係を持つ人たちが作り上げた、過剰な見通し…ということになる。

反権力、政府に対して一番厳しい見方、記事を載せる東京新聞の面目躍如ともいうべき立派な調査報道ではないか。

これを書いた記者は以前から、国の見通しに懐疑的で過去にも同様の記事を書いてきたようだ。
その真偽は不明だし、そもそも地震や火山爆発を予想すること自体が極めて難しいこと。
あるともないとも言えない話だ。
ただ、これまで言われている以上に、その可能性が低いのだとしたら…。

物事を多角的に見て、違う意見を述べる。その重要性をこの東京新聞記事から感じるのである。
これだけのスクープ、後追いされないのはもったいなさすぎないか。

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