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「春眠」

目覚めた途端
眠いねむい
春だから――
体内時計は 早起きの春の日差しに まだ追いつけぬ
太陽は ずっとずっとずーっと
同じ調子で
この星に光と熱を降り注いできただけ
長らく ながらく
われら生きものは
何とかなんとか それに合わせてきたはず
律儀に 生真面目に
この体は 太陽とこの星に合わせてきても
ズレが生まれる
春――この時季の 眠たさ
これは このズレが生み出している

朝早くに約束がある
9時までに出社する
地下鉄への階段を駆け下り駆け上り
大慌てで 人波にザブンと飛び込む――
そんな必要はとっくに ない

そうした日々は
案外 長くはなく
時間に縛られ 大慌ての日常は
短かったような気がする

自分のペースで
体を動かし
大慌てしないでよい
そんな 時分だ

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