【しごと詩】「野球選手」
まあ 目の前に飛んできた球は
何とか処理して アウトにはしてきたね
超絶美技なんてないけれど
フライやゴロは きっちりアウトにしたさ
とにもかくにも 試合には出てたのよ
優勝争いするようなチームじゃないけどね
プロ野球だもん 球団名くらいは知られてる
でも二流だもんな
そこの二流以下の選手さ
俺の立ち位置
バッターボックスでも
均せば打率は一割台だよ
ホームランも打つには打ったけど
現役生活で10本もないな
二流の ずっと優勝と縁のない
そんなチームにしがみついてた
でも 一軍にだっていたんだよ
そう 一軍さ
世の中全体からしたら
俺は一軍の選手さ 絶対そうさ
どんなに打てなくて チャンスに凡退しても
試合には出してもらってた 給料ももらった ありがたい
俺の名前くらい 知ってるだろうよ 野球ファンなら
いや 知ってたら よほどの野球ファンかな
でも そんなレベルじゃ
引退しても声もかけられないよね
俺を野球選手にたとえたら
そんなもんだろ
写真・時事通信
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?