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「夢想するひと」

現代詩 午前零時の再登板 №8

やさしく美しく
ひたすらあまい
そんなひとがいて
朝寝するぼくを やさしく揺り動かす
顔を近づけ
「朝ですよ 仕事でしょ」

起こしてくれる

美しい顔
つややかな髪
白い歯
明るく 見開かれた瞳

吐く息は 涼やかでさわやか
かすれたような くぐもった声がゆっくりと
ぼくの体に生気を吹き込む

彼女との生活
ばくが朝 家を出て仕事に行く間に
彼女は ひたすらぼくを待つ

夜も早めに帰り 7時過ぎに夕食を終える
その夕食も 帰宅時にはほぼ出来上がっており
ぼくは食べるだけ
家の中で 待たせれることはない

食事の後…
そのことはここでは書かない

同じ空間で
ぼくらふたり 同じ空気を吸う
体を密着させることもあるけど
それよりも 距離をおき
彼女の 体全体――
美しい姿を見ているだけでよい

いま 日本 東京に彼女はいる――

ぼくの彼女」(2021年7月13日)を改変


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