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【とやままちなかコンシェルジュ】まちの人々 vol.8

「まちなかコンシェルジュ」として、富山のキーパーソンを本のようにご紹介します。
これから行く先に迷ったとき、誰かと話をしてみたいとき、つながりをつくりたいとき。

ちょっと先行く先輩や、その道に詳しい専門家のお話が、なにかの気づきになったり、あなたの富山ライフをより豊かにするきっかけになればいいな、と、人と人をおつなぎするお手伝いをさせていただきます。

農業とわたしの未来

Az‘s Garden
東るに

これまで、NPO法人まちなかライフスタイル研究会の広報担当として、主観もたっぷり交えながらまちなかの人々をご紹介してきました。
今回は、僭越ながら私自身のことを少しお話しさせていただきます。


私と富山のご縁のきっかけとなったのは、大学時代の部活の先輩。
富山出身の彼女のご実家は、富山市の山手にある「土(ど)」という集落で、棚田米や有機野菜の栽培、養鶏を営む農家でした。

先輩は大学卒業後、実家に戻って農家の跡取りとなり、一方の私はというと、新卒で横浜の会社に就職しつつ、いつかはお菓子づくりを仕事にしたいと思いながら、3年後かな、5年後かな、とぼんやり将来を思い描いていました。

そんな時、「お菓子つくりに、うちに来ない?」と先輩から声がかかったのです。

そうして単身富山に渡り、今まで知らなかった農業の世界に触れ、こんなに豊かな暮らしがあったのか!と初めての感覚に新鮮な気持ちでいっぱいでした。

農家での2年間の修業を経て、イベント出店を中心とした店舗を持たない焼き菓子店として活動を開始。
その間に、移住相談員やフリーライターなど、興味や関心が赴くままに様々な仕事を経験しました。

富山では、山での暮らしも、まちでの暮らしも体験し、強弱や大小は違えど、どこにいたって、春になれば田んぼの土のにおいがしてきて、夏にはご近所さんからなす、きゅうり、トマトのおすそ分けで野菜室はパンパン。秋は黄金色の稲穂が一面に広がる景色にうっとりし、冬の晴れ間に見る朝のきらきらした雪景色やピンと張りつめた空気に心が洗われる…

そんな風に、四季を感じながら暮らし、四季の豊かさを表現したいと、「今だけの、ここでしか食べられない」という私のお菓子づくりの方向性が定まったのも、富山に来てからです。

農家で出会った夫は、果樹の観光農園をやりたいという夢を持っていました。

そんな私たちに、「ブルーベリー農園をやらない?」と、声をかけてくれる方がいて、高齢のご夫婦が大切に管理していたブルーベリー畑を引き継ぐご縁をいただきました。

振り返れば、私の小さな発信を見つけて、気にかけて声をかけてくれる人がいつもいたことに感謝が絶えません。

ブルーベリー農園は、オーナーご夫婦から少しずつ引き継いで、昨年、2023年シーズンに小さく、小さくオープンしました。
まだまだ整備も体制も不十分ながら、ご夫婦が大切に育てた美味しいブルーベリーの実を少しでもみなさんに味わって楽しんでもらいたいという気持ちで、「小さなオープン」を迎えました。

農業界では担い手不足が問題となり、耕作放棄地が増え景観にも影響してきます。
まちの暮らしと「農」が近く、土のにおいや生産者の営みがすぐ近くに感じられることは、富山の価値だと考えています。
この風景を守っていくこと、そして、ご夫婦が「みんなが集まって楽しめる場所になるように」と想いを込めて育ててきたこのブルーベリー農園を次の世代へとつないでいくことは、私たちの使命だと思っています。

ブルーベリー農園はまだ始まったばかり。やりたいことや目標はたくさんあります。
ぜひ今後の農園の展開にもご注目いただけたら幸いです。


―あなたにとって“まちなか”とはどんな存在ですか?

「まちなかではもっぱら消費する立場でしたが、主体的になにか関われたらなと思って、NPOまちなかライフスタイル研究会の活動に参画しています。
今後は、生産者の立場としても、まちなかと関わりを持てたらうれしいです。
実家がある吉祥寺には、歩いて楽しい商店街がたくさんあり、そんな場所が富山にも増えたらいいなと!まちなかにはそんな期待をしています。」



農業のこと、移住のこと、パラレルワークのこと、おすすめのパン屋さんのこと、etc.  興味の幅は広いですが話下手なので、みなさんのお話し聞かせてください!


本記事では、2023年11月3日開催「人to人ライブラリ@大手モールbar」のゲストを「まちの人」として紹介しています。

本を借りるように、その人の時間を借りて1対1で対話する
という趣旨のちょっと変わったイベント。
当日の様子は、【開催報告】をご覧ください。


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