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「ecoeat ブランチ大津京店」KON-KON! おじゃまします(3)

まちスポ大津スタッフが今聞きたい人にインタビューをする“とびだす!KON-KONおじゃまします”!2022年度から開始した活動の、取材先第2号を掲載します。
ブランチ大津京に新たにオープンしたお店「ecoeat(以下、エコイートと表記)」、ここにはびっくりするほど安い商品が置かれています。そして、運営法人は「NPO法人」なのです。エコイートが取り組む活動とは?安さの背景は?店長の坂主忠則さんに聞きました。(以下、敬称略)
※2022年7月27日にお話を伺いました。


「エコイート」ってどんなお店

まちスポ:食料品がすごく安くて驚きました!どうしてこんな安く提供できるのですか?
坂主:賞味期限の都合で販売できなくなった食品を事業者から安価で仕入れているため特別安く提供できています。また、トラック単位で注文するなど更に仕入れ値を抑える工夫もしています。

エコイート 店長 坂主忠則さん

賞味期限と消費期限

まちスポ:賞味期限が過ぎていても大丈夫なのですか?
坂主:先ず、当然ながら“安全に食べられる期限”の「消費期限」を過ぎている食品は販売しません。また、仕入れ先については取引契約を交わした食品事業者に限っており、適切に保管されてきたことの確証を得た食品のみを仕入れています。次に、“美味しく食べられる期限”の「賞味期限」ですが、国内食品には本来の賞味期限より2割以上早い期限が表示されており、表示の賞味期限を過ぎて直ぐに美味しさが損なわれるものではありません。ただ、念のため賞味期限を過ぎた食品はスタッフが実食し美味しさが維持できているかをチェックするようにしています。
まちスポ:消費期限とは、どの商品にも表示されているものでしょうか?
坂主: 消費期限はお弁当やサンドイッチなど傷みやすい食品にしか表示義務がありません。そして表示義務がない食品には表示されないことが殆どです。そのため、エコイートでは表示の賞味期限を基にして専門的計算により正確な消費期限を算出するようにしています。

社会貢献の仕組み

まちスポ:日本人は賞味期限に対して特に敏感な国民性だと思うのですが、なぜ難しい販売をあえてされているのでしょうか?

坂主: 現代は飽食の時代と言われ大量の食品が廃棄されていますが、その一方で食べたくても貧しくて食べられない方々が沢山おられます。エコイートではこうした社会の矛盾を解消するために、①まだまだ食べられるのに賞味期限の都合で廃棄せざるを得ない食品を事業者から仕入れ、②そうした食品をお客様にご理解のうえで購入頂き、③販売で得た収益を使って慈善団体や生活困窮者を食料支援する活動を行っています。

エコイートの活動の意義って?

まちスポ:食品の廃棄は事業者にとっても悩ましい問題だと思うのですが、なぜ事業者は自ら食料支援を行わないのでしょうか?
坂主:確かにそれが効率的であり、実際に単発であれば直接の支援が行われることもあります。しかし、支援物資を運ぶためのコストは非常に大きく、営利企業の食品事業者が支援のためのコストを継続して負担することは本来の事業目的からして難しいのです。その点、エコイートを運営する「日本もったいない食品センター」は非営利活動法人(NPO法人)であり、支援活動そのものが目的ですから、その他の事業で得た収益や賛同者からの寄付を持続的に支援活動費として運用出来るのです。エコイートでの販売は、日本もったいない食品センターが寄付だけに頼らずに、自活して支援活動費を捻出するための方法と言えます。

まちスポ:なるほど、エコイートさんのことがわかってきました! 

食品ロス削減活動を身近に!

まちスポ:さて、新規オープンして、お客様の反応はいかがでしょう?
坂主: 滋賀1号店の大津瀬田店が定着してきて、ある程度は認知されているものの、勿論ご存知でない方もまだまだおられる訳で、やはり賞味期限に関するご質問を多く受けます。

商品陳列の様⼦、賞味期限を記して販売されている
商品陳列の様⼦、賞味期限を記して販売されている

まちスポ:お店のあちこちでスタッフの方とお客様が明るく会話されている姿が印象的です。
坂主:スタッフにはお客様とのコミュニケーションを最優先にしてもらっています。食品衛生に関する正しい知識をお伝えすることで一般のご家庭でも食品ロス削減活動を実践してもらいたいですね。みんなが不必要な購入を控えて冷蔵庫の中身をこまめにチェックするようになれば世の中の食料問題は大きく改善できるものと思っています。
まちスポ:販売を通じて地道な啓発活動もされているのですね!


エコイートに関わるきっかけ

まちスポ:坂主店長からは理路整然とした語り口の中にも活動への熱い思いが感じられます。ご自身がエコイートの活動に携わるようになったきっかけを教えてもらえますか?
坂主: 元々、学生時代から社会貢献に強い関心がありまして、一般企業に就職し今とは全く違う仕事をしながらも本格的に社会貢献活動に携わる機会をずっと夢見てきました。そんなとき、友人から日本もったいない食品センターの理念を教えてもらい大変感銘を受けまして、その友人(現在は日本もったいない食品センターの理事)から誘われて現在の仕事への転職を即決しました。
入社後は大津瀬田店で経験を積み現職に至ります。食品衛生の専門研修は難しかったですし最初は慣れない物販の仕事にも苦労しました。

店内を案内していただきました

まちスポ:社会貢献への思いが結実して今があるのですね! 

これからの展望

まちスポ:今後の展望はどのように思い描いていますか?
坂主:日本もったいない食品センターでは、これまで歩いていける街中の立地にエコイートを出店してきましたが、これもまた社会課題である買い物困難地域への移動販売を検討しています。私個人としましては、ブランチ大津京が交流の場であることを活かして食品衛生の勉強会など開催してみたい気持ちがあり、実現しましたら次世代を担うお子さまにもぜひ参加してもらいたいですね。
まちスポ:ありがとうございます!最後にお店のPRをお願いします。
坂主: 前述のような訳ありの特価食品だけでなく、話題の新発売食品やピクニック雑貨なども取り扱っており楽しい売り場になっています。また、有事の物資不足を見越してマスクや防災食品は意図的に多く備蓄するようにしています。販売以外では食料支援に関するご相談に対応したりもしています。社会貢献に興味が有る方も無い方も、どなた様もブランチ大津京にお越しになられた際にはぜひ一度エコイートにお立ち寄りください。
まちスポ:ありがとうございました!あらためて、何をするにも(食料支援でさえも)資源を消費し化学物質が排出され地球に負担をかけていることを考えますと、食品を無駄に廃棄することがいかに傲慢な行為かがわかります。無駄な廃棄を減らすには、「作り過ぎない」「売り過ぎない」「買い過ぎない」「買ったものは使いきる」ことが大切。エコイートさんはそうした大切なことを気付かせてくれるお店ですね。
 

エコを気にかけながら買い物ができて素敵ですね。

👉Keyword!食品ロス(フードロス)とは?

「食品ロス」とは、まだ食べられる食品が廃棄されることを言います。国内だけで年間およそ600万トンあるとされ、国民1人当り毎日お茶碗一杯分を捨てている計算になるそうです。そのうち、食品事業者由来の廃棄が45%と言われおり、「フードロス」とも呼ばれています。

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