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『ジェントルメン』はパブに集まる

先日U-NEXTで鑑賞したガイ・リッチー監督『ジェントルメン』が面白く、興味深いごはんも登場したのでメモします。

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2021年5月公開の本作。一時期は営業を休止していた映画館や、上映を延期する作品が多い中、予定通り公開に踏み切った作品として興味があったのですが、残念ながら劇場は観れなかった作品でした。

イギリス・ロンドンの暗黒街に、一代で大麻王国を築き上げたマリファナ・キングのミッキーが、総額500億円にも相当するといわれる大麻ビジネスのすべてを売却して引退するという噂が駆け巡った。
その噂を耳にした強欲なユダヤ人大富豪、ゴシップ紙の編集長、ゲスな私立探偵、チャイニーズ・マフィア、ロシアン・マフィア、下町のチーマーといったワルたちが一気に動き出す。莫大な利権をめぐり、紳士の顔をした彼らによる裏の裏をかくスリリングな駆け引きが展開する。(映画.comより引用)

登場人物が多い作品ですが、キャラクター全員をしっかり個性的に(そして関係性も分かりやすく)描く技量は、さすがガイ・リッチー監督です。個人的には思わず笑ってしまうセリフもあって、最後まで飽きさせない楽しい一本でした。

髭もじゃもじゃで眼鏡のチャーリー・ハナムが好きです。自宅のキッチンや壁の色がおしゃれだったなー。マシュー・マコノヒーはじめ、みんな衣装も素敵でした。英国風のスーツスタイルでも種類がたくさんあって、カジュアルなタイプやクラシックな感じもあり、観ていて楽しかったです。

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あとコリン・ファレル率いる謎のジャージ集団がよかったですね。あんなジャージ初めて見た…!自分では特に着たくないけど可愛い!
ちなみに本作の衣装デザイナーはマイケル・ウィルキンソンという方で、ガイ・リッチー監督作『アラジン』の衣装デザインも担当しているようです。

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Wikipediaに映画批評集積サイト「Rotten Tomatoes」の批評家の見解の要約が載っており、これにも笑ってしまったのですが、楽しい映画に変わりはないのでぜひご覧いただきたいです。

『ザ・ジェントルマン』はガイ・リッチー監督の新しいファンを増やすことはできないかも知れないが、同監督の作品のファンなら十分に楽しめるものである。

▼▼『ジェントルメン』に出てくるごはん▼▼

ピクルドエッグと1パイントのビール
本作はマコノヒー演じるミッキーがロンドンのパブに入ってくるところから始まります。そこで早速登場するごはんが、ピクルドエッグと1パイントのビールでした。公式が出している冒頭映像でご確認ください。

わたしはピクルドエッグというものを初めて知ったのですが、名前の通り、酢に漬けたゆで卵イギリスのパブ定番メニューだそうです。ふだん家で作る煮卵も、醤油やみりんなどに漬け込む簡単なものですが、酢に漬けるという新しいレシピを映画に教えてもらいました。

ちなみにこちらのサイトでは、ピクルス液にディルなどお好みのスパイスやハーブなどを入れるそうで、爽やかな味になりそう!試してみます。

あと本作には、チャーリー・ハナムがヒュー・グラントのために焼く和牛のステーキが登場します。BBQセットに興味津々なヒューがコミカルで面白い。物語の終盤に再度、ステーキが登場するのですが、こっちは何の肉か分からない感じで出てくるので怖いです。(観たら分かります!)

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そういえば、ロンドンにはガイ・リッチー監督がオーナーを務める「LORE OF THE LAND」というパブダイニングがあるそうです!やることが手広いぜ。


▼あとがき
わたしはあまりお酒を飲まないのですが、映画に登場する(特にイギリス映画の)パブという場所はとても魅力的です。フィッシュ&チップス、ハンバーガー、ソーセージ&マッシュなど、最近はパブでも食事ができるようですね。食べてみたい!最後にパブが印象的だった作品もご紹介。

『キングスマン』(2014年)

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パブでの食事シーンはありませんが、クールなアクションシーンが美味な作品。実際に営業している「Black Prince Pub」というお店が舞台になっているそうです。(アクションシーンはセットで撮影されたようで、内装は劇中に出てくる見た目と少し異なる様子)
Kingsmanと言うメニューもあるみたい!ぜひ「Manner makes man」(マナーが人をつくる)という名言を胸に、このパブで食事もしてみたいなと思います。

『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』(2013年)

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ひたすらパブでビールを飲む作品といえば、エドガー・ライト監督と主演サイモン・ペッグ&ニック・フロストのトリオが思い出される。
20年前に失敗した、一晩で12軒のパブをめぐる「ゴールデン・マイル」に挑戦するおじさん5人が、町の人々の様子がおかしいことに気づきながらも、12軒目のパブ「ワールズ・エンド」を目指して飲み続ける SF コメディ映画です。

公開当時は、1パイントの大きなグラスで12軒分のビールを飲むなんて大変なことをするなぁと、劇場で観ながら思ったものですが、制覇したくなる気持ちはすごく分かります。ちなみにこのトリオの他の作品、「ショーン・オブ・ザ・デッド」「ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!」でもパブで飲むシーンが出てきます。パブを愛する並々ならぬ気持ちが伝わります。


▼あとがき その2
2020年7月のNewsweek記事ですが、イギリスもコロナ禍によりバーで酒を飲むことはできなかったようで、多くのビールが破棄されたようです。同記事では、英国の若者の間ではパブ離れが進んでいるため、パブ文化が終わりを迎える可能性があると、米経済誌フォーブスが伝えていることも記載されています。
なるほど、そのような環境の変化があるんですね。将来、パブという場所は映画の中だけで観れる場所になるかもしれないですが、いつか本場のパブで食事をすることを楽しみに、パブが出てくる映画も収集しようと思います。


▼『キングスマン』に登場するパブ

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