まず、ちゃんと聴く。 著者 櫻井将氏を読んで




この本では、
・「聴く」 自分の解釈を入れずに、意識的に耳を傾ける行為。without judgement (相手と同じ方向を見て話しをする。)
・「聞く」 相手の話を自分の視点から解釈する。 with judgement (相手と向き合って話をする。)
という分け方をしています。

私がこの本で初めて知ったのが、「肯定的意図」。
相手がどんなことを言ったり、考えたり、やったりしても、相手はその行為を何らかの肯定的な意図を持ってその時行っている。たとえこちらが理解できないような行為でも。

会議で意見が合わないからと言って自分の意見をひたすら主張するのではなく、違う意見を言う人も何かその人なりの肯定感を持って発言しているということをまず受け止める、ということだなと知りました(けっしてその人に同調するということではないです)。
このまず受け止めるというのが、「聴く」ということ。

これは会議や小さな話し合いだけでなく、ちょっと飛躍しているようですが、神宮外苑の森のこと、ウクライナやパレスチナなどにも通じることだなと思っています。

この「聴く」ということが少しずつでも拡がっていったら、もっと住みやすい世の中になるだろうなという想いを私は持つようになってきました。

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私はこれまでラジオやテレビで多くの方々のお話をお聞きしてきました。そしてうれしいことに相手の方から良かったと言っていただけることがあり、私は聞くことができているんだと思っていました。

もう少し対話やコミュニケーションができるようになれると良いなと思って調べ始めたところ、聴くと聞くは違う、聴くことの大切さというようなことに出会いました。

私が対話の練習などで他の方からお話を聞くと、インタビューを受けている感じという感想をもらってしまいます。with judgement で私が私の都合で聞きたいことを聞いているということのようです。

聴くは、相手が話したいことや相手の関心事をこちらの判断なしで聴くということ(特に自分と違う意見の場合)。
私が聞きたいことを聞くのではないということがまだ自分のものになっていないな。

この本はそんな勉強の一つとして読みました。

著者の櫻井さんはYeLLという会社の代表で、企業の1on1 を外部スタッフとして請け負って「聴く」を推進していて、私はそこのサポーターというスタッフとして研修を受けたり少々の実践をしています。

ところで私が対話やコミュニケーションを学んでみようというキッカケは、私が年齢とともに、会議で遠くの人の話が聞こえなかったり、すぐ近くでも内緒話のような小さな声が聞こえにくくなってきて、「伝わる」とか「届く」、「聴く」ということに関心をもつようになってからかなと思います。
そんな自分の不調から新たなことを知ることができてラッキー。

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