見出し画像

正月の朝行くとね、かならずね、みかんくれるんですよ。おひとつどうぞってね。すごいあったかい感じがするところ。

10年くらい前からですかね、独立した息子と娘たちが、かならず元旦は帰ってきて、家族で平川神社にお参りをするっていう、それがひとつの慣例になってます。うちの近くが平川神社なんで。だから、そういう意味では平川神社がいちばん思い出がある。正月の朝行くとね、かならずね、みかんくれるんですよ。おひとつどうぞってね。すごいあったかい感じがするところ。初詣は混んでないです。比較的のんびりしている。本殿の横に社務所があって、その下にちょっとした公園があるんですよ。正月、うちの孫なんかが来るとそこで遊ばせるんですよ。鉄棒があったりね、けっこう広いですよ。平川神社はね、どんど焼きもやってるんですよね。でもどんど焼きの当日にはあんまり行ったことはないですけどね。

画像1

平川神社はたまプラーザの文化圏じゃないのかもしれない。あそこは古いですよ。我々が引っ越してきてもう38年になるけど、そのころから平川神社のお神輿は有名だしね。そういう意味では「地」の神社。一、二、三丁目ってほとんどそういう「地の文化」がないじゃないですか、新興住宅地だから。でも平川神社の山は残したんですよね、文化圏として強かったのかもしれないですね、昔から。

画像2

なにしろね、引っ越してきた頃にはほとんどなにもない街だったんです。ほんとに田舎だったですね。たしか、まだ田園都市線って名前なんかついてなくて。東急百貨店ができる直前、イトーヨーカドーができた頃、駅を降りて、いまある東急のところが全部原野だったんですよね。団地はすでにできてました。そこに行くまで、だだっぴろい、ひろ―い原っぱで寂しいんですよ。それでなんていうんだろ、獣道みたいにね、その広い空き地の中にこう、道が伸びてるんですよ。その道をたどって行って、駅から団地側に行くっていう。そこに大きな百貨店を建てるって時に、団地の人たちがけっこう反対したんですよね、っていうのは、あそこに建物が建てられちゃうと通り抜けできなくなっちゃう。するとすごい迂回をしなくちゃいけない、駅が遠くなっちゃうって。だけどね、結局東急はそれを認めて、東急百貨店本館の周りをくるっと遊歩道的に歩けるような形にして、むこうに抜ける道を作ったんですよね。だから昔のあの獣道のルートは維持したっていう感じじゃないかと思うんですね。


画像3

今二子玉川から出てる大井町線のほうが、あれが昔はメインルートだったでしょ。われわれの会社は渋谷経由だったんで、必ず二子玉川で乗り換えさせられて渋谷へ行った…そういう覚えがありますよね。渋谷から二子玉川のルートが、たしか「たまでん」っていってましたもんね。ちんちん電車みたいに路上走ってたの。三軒茶屋まであれが出てるんじゃないですか、世田谷線。あれと同じ系統の玉川電車のなごりで「新玉川線」。だから渋谷の方に行くサラリーマンはみんな二子玉川で乗り換えさせられた、反対側の「たまでん」に。それか大井町線で自由が丘、東横線で渋谷に出てた。それがいつの間にかね田園都市線と銘打って、こっちが本線になって。で、逆に二子玉川から大井町線のほうは乗り換えさせられるようになった。すごい楽になったのを覚えてますね。それまでは、たまプラーザってなんて田舎だろう、と思ってたので。
昔は二子玉川なんかもまさに郊外だった、今は中心ですけどね。あっという間ですね。だから、38年も住んでても、あっという間に過ぎちゃった感じがしますよね。テラスができてから急速に都市化が進んだって感じがします。街の進化、見てると楽しいですよね。

画像4

で、ここ5年くらいは東急さんと横浜市が提携を結んで、次世代郊外まちづくり。そこから、たまプラコネクトっていうグループができて、地元でみんなで活動するという顔の見える関係がいろいろ増えてきて、それがすごいおもしろくて。そこから合同会社・たまプラコネクトって会社作っちゃったりして。私がやってる「あおばみん」は、青葉区役所に協力依頼して、それでウェブサイトのサイト契約は全部区役所がやってくれてるんです。そこにコンテンツとして区民のポータルサイト「あおばみん」を展開してます。ちゃんと運営委員会があって。で、どんなものにするかっていうのはそこで決めていくんですけども、私は技術的な面で好きなようにやらせてもらってるんです。

千葉恭弘

インタビュー:2017年 夏

このおはなしは2018年No.005号に収録されています。冊子をご希望のかたはご連絡ください。冊子は無料、送料180円でお送りします(5冊まで送料は同じ)。「街のはなし」プロジェクトを、スキやサポート,snsのフォローなどで応援していただけましたら大変励みになります!どうぞよろしくお願いします。

企画・文・写真: 谷山恭子
編集・校正: 伏見学・街のはなし実行委員会
発刊:街のはなし実行委員会

よろしければサポートをおねがいします。サポートは、今後の「街のはなし」の冊子発刊費用に使わせていただきます!