見出し画像

コルク佐渡島さんに聞く!コミュニティをつくる上で大切なこと【前編】

もうすっかり秋ですね。
はじめまして!まちのコイン広報担当の梶陽子です。

これまで、まちのコインが地域の「つながりづくり」のためのコミュ二ティ通貨であることをこの交換日記で綴ってきました。
では、人と人とのつながりをつくるために大切なことって何でしょうか?
まちのコインが仲間づくりを後押しし、コミュニティ活性につなげるためにはどういうものであるといいのか。オンラインサロン「コルクラボ」を運営し、まちのコインのアドバイザーを務める「コルク」代表の佐渡島庸平さんにお聞きしました。前編・後編にわたってたっぷりご紹介します!

お金以外のもので結びつくと、人間関係はより滑らかになる

図1


ー まちのコインに関わろうと思ったきっかけはなんですか?

僕がやっているオンラインサロン「コルクラボ」もそうですけど、ブロックチェーンとか、仮想通貨などのお金以外のもので結びつくコンテンツを介したコミュニティは存在しえると思っていて。ちょうど、その理解を深めたいと思っていた時に、今回のまちのコインの取り組みを聞きました。

今、僕はカヤックの社外取締役をやっていますが、それだけだと数字で会社をみているだけ。僕はカヤックが好きなので、みているだけじゃなくて一緒に面白いことを何かやりたいなと思っていたこともあり、まちのコインにアドバイザーという形で関わることになりました。

ーお金以外のもので結びつくコミュニティに、興味をもたれたきっかけは何ですか?

SNSがどんどん使われていく中で、信用が可視化されていると言われていて。で、その信用を簡単にお金に変えないほうがいいとも言われています。例えば、社会のなかで、子どもは何一つ生産をしていないですよね。会社は生産効率で物事が進むけれど、子どもやお年寄りは、その生産の外にいる存在。でも、社会で考えた時には、確実に子どももお年寄りも何らかの価値がある存在です。

資本主義の中では、生産してお金に交換可能じゃないものの価値が計りづらくなるのは、しょうがないことですよね。数値化以外の方法で、例えば言葉でいくら価値があるって言っても、どこかですごく苦しくなって、モヤモヤする部分が出てきちゃう。そんな中で、まちのコインというものは、お金で交換する仕組みからこぼれ落ちてしまっている、価値交換が起きた時に交換できたりするんです。

お金で価値交換をしないことによって、新しいコミュニケーションが生まれて、まちのコインが導入されているコミュニティの人間関係がより滑らかになっていく。そして、色々な活動の熱量も高まっていく、ということが起きるんじゃないかなと思っています。僕は、それを起こすお手伝いをしている、という感じです。

資本主義からこぼれ落ちている価値を可視化するには

図2

鎌倉で働く人・暮らす人のための地域に根ざした企業主導型保育園「まちの保育園 かまくら


ー 確かに生産性という基準の外にある子どもやお年寄りの価値を、可視化できる可能性がまちのコインにはありますよね。
佐渡島さんには、開発中のまちのコインをこれまでみていただいているのですが、率直なところ、そういった今の資本主義からこぼれ落ちている価値を数値化できる、仕組みになっていると思いますか?

まだどうしても、使われ方がクーポン券的になっているところがありますね。

例えば、レストランに子どもがくると、ひと席潰れて客単価が下がるから、子どもはお断りのレストランってありますよね。でも、もしかしたらファミリーで来てくれたほうが、お店が明るい雰囲気になって、実際は売上も上がるかもしれないけど、そこはなかなか実証できていない。そういう時に、どこかのレストランが「赤ちゃん連れで来た場合は『まちのコイン』をあげます」ってする。一見すると売上に関係ないところでまちのコインを発行して、それがうまくいきだしたりすると、クーポン的ではない流れが起きると思うんです。

自分の心が満たされて、ある種笑いが増える行為が起きている時。今はそこに価値提供、つまりお金と交換することは難しいですよね。でも、それを良いこと、価値あるものとして、まちのコインと交換するという行為ができるようになるかもしれない。そういった事例が次第に他のお店や地域に展開されていってはじめて、本当にまちのコインを生み出した意義が出てくるのかなと思いますね。


ー 確かに、クーポンというサービスであれば他にもありますよね。私たちも、集客というプロモーショナルな要素だけではなく、”にぎわい”という価値交換が難しいものに対して、まちのコインを使って欲しいと思っています。

クーポン券というのは、クーポンと物との物々交換に近いものなんです。でもまちのコインはそういった資本主義的なツールが広がったという話ではないんですよね。資本主義からこぼれ落ちちゃうものを拾おう、という理想でつくられているはずです。

もちろん初期の流れとしては、資本主義と重なるところがあってもいい。ただ、それを外へとしっかり出していく時に、まちのコインの使い方のアイデアをどう生み出すか。面白法人として、そこは面白いアイデアをブレストでしっかり出していって欲しいと期待しています。

まちのコインで「つくる人を増やす」というカヤックの経営理念を、まちで実現していく。今までつくる人としてみなされていなかった、子どもとかお年寄りとか、そういう人たちをまちのコインの中だったら、つくる人にすることができると面白いですよね。コインを発行もできるし、使えるし、という流れになっていくと面白んじゃないかなと思います。

図3

「つくる人を増やす」というカヤックの経営理念について書かれた、カヤック社長、柳澤の「社長日記

おわりに

子どもは生産性の外にいる、というお話は、2児の母としてはドキッとする内容でした。生産性だけでは語れない価値が、確かにあるとみんな思っていても、そこに、お金を払うという行為はないですよね。例えば、まちの保育園 かまくらでは、ビーチクリーンや街の清掃活動に、子どもたちも参加しています。そういった「ありがとう」と思える行為に、まちのコインを使えないかな、とお話をお聞きしながら思いました。

ぜひ、みなさんからのアイデアをコメント欄でお聞かせください!

後半では、コミュニティを熱く盛り上げるためのアドバイスをいただこうと思ったら、「熱くし過ぎると続かないよ」と言わて目から鱗がでたお話や、まちのコインがもつ未来のコミュニティのあり方などについて、お送りします!
どうぞお楽しみに!

[2019年11月14日追記]Webサイト公開しています!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?