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工業デザイナー奥山清行さんのフェラーリの話 『創造の1/10000』

奥山清行さんは、MAZAK(工作機械メーカー)工作機械のデザインまた、メガネフレームから鉄瓶まで幅広くデザインされておられます。

 奥山清行さんについて書かれた本書の紹介します。タイトルは「人生を決めた15分  創造の1/10000(一万分の一) 」2008年5月23日第1刷発行 著者 奥山清行、株式会社ランダムハウス講談社発行の書籍です。 

はじめに、第1章 迷ったらやれ〜第10章 自分の心に聞け 最後に解説 茂木健一郎さんが締めくくっておられます。

一万分の一とはなんのことだろうと思っていましたが、奥山さんがフェラーリーのデザインを任された時の締め切りぎりぎりまでの出来事のことでした。こんな話が語られています。

 10年に一度、チャンスが巡ってくるかどうかわからないスーパーカー・プロジェクト〔名車 エンツィオデザイン〕においてスタートから2年が経過し、デザインにOKが出なければプロジェクトは時間切れで中止になる時点まで来ていた。すでに提出したデザインはフェラーリ会長から否決されて、最後の会長からのチャンスでも「もういい、他に回す」と言われてから会長がヘリコプターで帰国する直前の15分で描き上げた渾身の1枚が、会長から「やればできるじゃないか」の返事。この1枚がたまたま描いた1枚ではなくて10000枚描いた結果の、最後の最後の15分のチャンスで描いた1枚である。そして100人で各100枚描いた10000枚の結果出てきた1枚であることをわかってくださいとのことです。

カーデザイナー(工業デザイナー)になろうと決められたのは、美大卒業してからのアメリカへの留学中のアートセンターに入られてからです。美大卒業するまでは自分の将来がまるで見えなかったそうです。そこで将来を見つけ、形にした経験が語られてます。

自分に特別な才能はないが、志と誠意だけは世界一でありたいということと、自分をよく理解していたからこそ、努力をいとわずに進めた。最初に知るべきことは自分のことである。そのために人と交わり、恥も汗も人一倍かき、自分を客観的に判断できるようになってはじめて自分が見えてくる。一人で閉じこもって自問自答などしていても発展しないと言われています。人は誰でも谷底へ突き落されるような目に一度や二度は遭っているはずであり、その時に受けるダメージは落差に比例しそうだが、実はそうではなくて以前に落ち込んだ経験があれば次に同じ高さから転落してもダメージは少ない。また迷ったらやれ、世の中には傷つくのが怖くて、迷った結果何もしないで終わる人がいるが、それでは何も得られないままばかりでなく失敗を怖がる臆病な自分ができあがってしまう。よって、やって後悔する方がやらずに後悔するよりははるかにましだと言われています。

本書末の解説で茂木健一郎さんより、奥山さんを「行動の天才」と評されておられます。

最後に

輝く個人をはぐくむのは困難に直面しても前に出る勇気と経験から学ぶ謙虚さである。優等生や組織人はもういい、奥山さんの蛮勇と繊細さの中に私たちを未来に導く光がある

と結ばれています。

奥山さんの歩んで来られた道と海外で戦って来られた人生から当たり前のことですが、チャレンジと最後まで諦めない、また自分の大切にしていることでいきていくことに印象づけられました。今回縁があり奥山さんの活動がかいまみれましたが、引き続き奥山さんの活動がどうされていくか楽しみです。

現在、自分に困難な状況がありますが、周りの応援も得て奥山さんの言葉をもらい脱出奮闘中です。


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