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【深澤和毅さんインタビュー】流山から東葛地域に広げるラグビーの受け皿

プロフィール:長崎県大村市出身。長崎県立大村高等学校ラグビー部。熊本大学ラグビー部時代に九州大学リーグⅠ部昇格。2017〜2020千葉県立柏中央高等学校ラグビー部監督。
2021~千葉県立流山おおたかの森高等学校ラグビー部監督。
日本ラグビーフットボール協会A級コーチ、関東ラグビーフットボール協会B級レフリー。

深澤さんは、東葛地域の小学生1年生~高校生を対象にしたラグビースクールとしてNagareyamaBraves(流山ブレイブス)を2023年3月に立ち上げました。


公務員という立場でスクールを営んでいる深澤さんの活動は全国的にみても珍しいケースかもしれません。高校教師だったからこそラグビースクールを立ち上げるきっかけに出会ったと語る深澤さんの想いをインタビュー記事に綴ります。

目次1:教員が立ち上げたラグビースクール

深澤さんは千葉県立流山おおたかの森高等学校への異動と合わせて流山おおたかの森高校のラグビー部の顧問になったものの、部員は2年生と3年生がそれぞれ1人ずつという状況でした。試合どころか練習もままならない環境です。
さらに新入生への勧誘も上手くいかず、初年度の新入部員はゼロ人という結果に心が折れかけました。

近年、ラグビーワールドカップで大躍進をした日本代表によって認知は広がった一方で、ラグビー人口は増えるどころか減少傾向にあると深澤さんは危機感を覚えています。

しかし、簡単には諦めたくないと思った深澤さんは、着任後2年目にも粘り強く新入生を勧誘してやっとの思いで新入部員が1人入部してくれることになりました。

そして、新入部員の加入後、近隣学校との合同練習で楽しそうに練習する部員の姿を見るうちに、1人でも多くの子ども達にラグビーの楽しさを伝えたいと想うようになり、ラグビースクールを立ち上げることにしました。

立ち上げた流山ブレイブスは、1人でも多くの子ども達にラグビーの楽しさを伝えたいという想いを込めて運営していると深澤さんは熱く語ります。

目次2:部活動とスクール運営の違いによる難しさ

流山ブレイブスの運営には、部活動と違う難しさがあります。
部活動の顧問として生徒にラグビーを教える時には、学校側で活動予算や生徒の保険の制度は整っており、活動場所も整備されています。

一方で、流山ブレイブスの運営ではすべて自分で手配する必要があります。
何から手を付けてよいか把握しきれていない状態での立ち上げ時には、まず公務員として法律に反しないよう各方面への相談や運営の勉強から始めました。
そして、スクールのホームページやロゴのデザインを製作し、会費や規約はゼロから作り上げていきました。営利目的の民間スクールとは違い、月会費を定める際にも難しさがあったと深澤さんは語ります。

また、特に会員数を獲得するための集客には苦戦をしていましたが、流山おおたかの森高校のグラウンドを土曜日午後に使用できることになったことで土曜日のスクールを開講出来るようになり、現在は会員数が少しずつ増えてきています。

一つ一つ課題をつぶすことで会員数を増やすために必要な運営基盤が整い始めています。

東葛地域に広げるラグビーの輪

最初は流山を拠点に立ち上げたラグビースクールでしたが、野田市からも参加者が来るようになり、東葛地域でラグビーに興味を持った子ども達の受け皿になりたいと深澤さんは考えています。

千葉県高体連ラグビー専門部に属し、学校へのチラシ配布など様々な助けを借りながらラグビー人口を増やしていく草の根活動を続けています。
まだまだ流山ブレイブス単独で試合を組めるほど会員数は集まっていませんが、ゴールが明確に設定されたゲームライクな練習を通じて、子ども達にラグビーの楽しさをより伝えていきたいと考えています。

また、東葛地域を拠点にした活動をしていく上で、地域の大人たちから応援され、愛されるラグビースクールに育てていきたいという目標を掲げています。

教員が立ち上げた民間スクールとして、これからの流山ブレイブスの躍進に期待が膨らみます。

熊本大学ラグビー部時代に九州大学リーグⅠ部昇格を決めた試合後の集合写真。

編集後記

私が学生の頃は、各部活動の部員も多くて指導者もそれなりにアサインされていた時代でしたが、今では誰かが環境を整備しないと子ども達に満足できるスポーツの場を提供できない状態になっています。
教員の働き方改革という課題も顕在化してきており、部活動の地域移行が推進されていこうとするなかで、熱い気持ちを心に燃やして子ども達に新しい活動のフィールドを提供している深澤さんをものすごい応援したい気持ちになりました。
この度は、インタビューありがとうございました!

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