見出し画像

学びの多様化について、本気の提案を都議会にしてみた!~ファースト政経塾へ参加~

こんにちは。神薗まちこです。
師走がもうすぐ終わり、新しい年が訪れようとしていますね。先日終了した「ファースト政経塾」で、学びの多様化について本気の提案を行ったことについて、本日は書いてみたいと思います。

1:ファースト政経塾って何?

小池百合子知事が立ち上げた政治塾「希望の塾」を母体としている、東京都の地域政党「都民ファーストの会」が主催しているファースト政経塾。

目的は、もちろん都民ファーストの会に入ってもらい、今後議員としてチャレンジする人を増やしたいというのが一番かと思いますが、会の冒頭に森村代表がおっしゃっていた、政策でつながる仲間を増やしたい!ということを目的に据えたいということで、その想いが強く反映されているなと申込当初から感じていました。また、前回1回目は有名講師からのインプットがメインだったでしたが、今回はワークショップ形式の政策立案の時間もあり、最終的にはプレゼンで政策を提案できる!とあり、ぜひ参加したいと思っていました。

これまでも、渋谷区選出の龍円あいり都議とかなり連携しながら、政策を推し進めてきました。特に私がコミットしている教育分野は都区連携は重要です。学校にいる教員は東京都の教員ですし、教育委員会の職員も半分くらいが東京都から異動してきています。もちろん予算などの補助金も、区独自というよりは東京都などの補助も多分に入っています。

政党に入っていれば、政党の都議と連携してやればいいですが、私は政党無所属ですから、それは出来ない。でも、お互いが議員になる前からissueでつながる龍円あいりさんが、都議でいるからそれが出来てきました。

今回、無所属議員でも政経塾への参加してOKということでお話いただきまして、参加しました。また、都民ファーストの会へ入党する予定はないということも前提で受け入れていただき、感謝です。普通の政党の政策塾のようなものは、所属政党の人しかNGというのが一般的でしょうが、懐深いなあ~と思っています。

2:提案するのは、「学びの多様化」!

いよいよ、政経塾がスタート。会の前半は素晴らしい講師陣からのお話もありつつ、後半は政策をつくるためのワークショップが毎回行われました。このテーマで話したい!ということで、issueをコネクトする会がありましたが、私は不登校のお子さんを支援することをもっと都と連携してやりたい。という、テーマは決まっていました。
また、「不登校支援」という表現ではなく、「学びを多様化」していくことによって、不登校というもの自体がなくなることを目指したい!と思っていたこともあり、「学びの多様化を推進したい!」というテーマで打ち出して、仲間探しをしていました。

7名のメンバーでスタート、その中でも大きな出会いになったのが、足立区の佐藤あい区議(以下、さとあいさん)でした。

さとあいさんは、お子さんが3人いらっしゃる中で選挙にチャレンジ、この5月から区議会議員として活動されてらっしゃいます。すごく熱心にこの問題に取り組んでらっしゃるので、理由を聞いたところ、次女さんが不登校傾向にあるということでした。当事者の保護者だからこそ、何とか解決する道を探していきたいという、強い思いを私も感じ、この人と一緒に最後まで走り切って、いい政策を作りたいと改めて思いました。

また、この政策を作るにあたって、メインメンターとして日野市選出の菅原直志都議に本当に最初から最後まで、熱く伴走していただきました。ご公務で大変だろう中、何度もオンラインMTGに参加して、都の現状の動きを共有いただいたり、私たちが考えている政策へのフィードバックをもらいました。その他にも、都民ファ内の不登校支援PTの事務局長をされている昭島市選出の内山真吾都議や党幹事長の練馬区選出のおじま紘平都議にもフィードバックなど頂きました。

そして、様々な議論の結果、チームで目指すのは

ということになりました。

3:フィールドリサーチをして、実態をつかむ

政策を作る上で、メディアで取り上げられていることや客観的な数字も大切ですが、やはり現場を知ることで実態と客観的な論を合わせていくことが大事だと捉えています。そのために、この政策塾が始まって約4か月の期間、様々なフィールドリサーチを行ってきました。

不登校や不登校傾向の保護者の皆さんとの対話の場で(9月、10月、11月、12月)に、みんなのプロジェクト学校の保護者さんと相談してお話を聞いてきました。

また、フリースクールのヒアリングや視察も行いました。

・オルタナティブ系フリースクール
GIFT School
ヒロック初等部

・オルタナティブ+居場所フリースクール
いもいもデイスクール

・居場所フリースクール
フリースペースしんじゅく

それ以外にも、スクールカウンセラー(以下SC)やスクールソーシャルワーカー(以下SSW)など不登校のお子さんやご家庭を支援している方々、医療の面からサポートしている児童精神科医の方々にもお話を聞いてきました。

そこで強く感じたことは、「学校に行けなくなった自分を責める」子どもたちの姿とそんな子どもたちを「何とか必死に支えたい」という保護者の方々の様子でした。また、支援している方々からの様々な視点を踏まえたときに、今提案すべきは何か?ということが浮かんできました。

また、この期間にシステミックコンステレーションという、ワークショップで「不登校」をテーマに実施しました。伴走一緒にしてくださったのが品川区の横山ゆかり区議、紹介を目黒区の田添まゆ区議がしてくださいました。こちらのレポートはまた、別途書きたいと思いますが、このワークショップからもそれぞれの当事者の人たちが、どのような思いで今ここにいるのか、どういうことが関係の中で起きているのか?などを、客観的に捉えられる機会となりました。

といった具合に、4か月の間でかなり濃密にこの問題について向き合っていきました。(今後の課題としては、当事者の子どもたちの声を聴くことができなかったので、その手法などを学んでアプローチしたいと思っています。)

4:政策を提案!

そして12月16日、緊張の舞台が訪れました。プレゼンテーターはさとあいさんと私。大学生インターンの方々も来てくれました。

さとあいさんが前半、神薗が後半を話しました。
前半は東京都や文科省の不登校の数値から、増えてますね。やっぱりという話と、2018年の日本財団調査の続編ということでNPOカタリバさんが直近出された「不登校に関する子どもと保護者向け実態調査」を大いに参考にさせていただきながら、不登校(=学校を30日以上休んでいる子どもたち)だけではなく、不登校傾向(=例えば教室外投稿をしていたり、30日以上は休んでいないけど行ったり休んだりしている子どもたちなど)へのアプローチも急務ということで、客観的数値で見える課題のポイントを整理しました。


そして、前半最後にはさとあいさんからの当事者としての想いを語ってもらいました。
選挙期間中に小学校1年生になった子どもからのSOSが何度もあって、苦しんだこと。「お母さんと一緒じゃないと、学校いかない!」という言葉、
ある日、学校から脱走したこともあったようです。私も1期目チャレンジした時、同じように子どもが小学校1年生だったので、その時を思い出して、涙をこらえながら聞いていました。

そんな経験もあるからこそ、もっと多様な学びの場をつくりたいんだというさとあいさんの想いに押され、私からは後半政策の提言をさせてもらいました。

こういったプレゼンの場では、時間も短いので1つの目立つ政策、半歩未来を見据えたような政策を打ち出したほうがインパクトが大きいのかもしれません。でも、目の前に苦しんでいる当事者や保護者の方を思うと、来年すぐにとりかかってほしい現実的な提案をまとめてやりたい。という思いにチームがまとまっていきました。

課題として掲げたのが3つ。

これにたいする施策として、1点目の隠れ不登校の子どもたちへの支援ということで、東京都内の区市町村立小中学校にサポートルームの全校設置を提案しました。今も、「校内別室指導推進事業」としてあるのですが、補助金の申請条件が厳しく、利用者は不登校児童生徒のみだったり10名以上のお子さんがいないと申請できないということで都内で40%しか導入されていないことを提示し、その条件の緩和や全校設置するとハードソフト両面から試算して、年間60億円の予算がかかるので、その確保をお願いしました。

2点目は、医療へつなぐということでした。子どもたちは不登校が続くと心のエネルギーが枯渇して、動けない状態が続きます。そのような状態になったときに、まずは心のエネルギーをチャージするために医療と相談するということも必要です。

しかしこれも、カウンセリングなど時間のかかる診療になるため、予約料ということで保険料でまかなえない費用が掛かります。この負担を2週に1回ー月1回のペースでご家庭が持つのは大きな負担になること、また子どもたちの心をケア出来る「心の専門医」や「児童精神科医」はそれほど多くないこともあるので、オンライン診療の推進なども提案しました。

3点目の保護者への福祉的な支援ということで、現在SCやSSWが学校に配置はされているけども、敷居が高くて相談できないという課題感があることなどを提示し(ここの改善も重要ですが)、今年度から東京都がスタートしたバーチャルラーニングプラットフォーム(以下VLP)の中で、保護者もアカウントを持ち、SCやSSWに相談できるまた保護者の集いなども開催しピアサポートできるようなコンテンツ提供の提案を行いました。

そして最後に、都民ファーストの会が重点政策として考えている「フリースクール」の認証制度に関しても、これまでのヒアリングで様々ご意見頂いていたのでプレゼンの場ではなく、個別に詳細もお伝えしつつ、プレゼンの場では、「学校との連携、在籍+出席認定を」を必ず条件として入れてほしいということ、フリースクールだけではなく多様な学びの場としてインターナショナルスクールも含めることを伝えました。

第1回目の講師でもあり、今回のプレゼンの講評者でもあった乙武洋匡さんから頂いたキーワード「今回の施策は西洋医学的な施策だったと思うが、根本治療できるような東洋医学的施策も今後考えたいですね。」というお言葉は、本当にその通りでこれが終わりではなく、ここがスタートだとあらためて思った次第でした。

また、一緒に活動していた大学生インターンの方が都内の165か所のフリースクールを一覧化してくださり、私たちの今後の活動に大いに役立つデータとなりました。最後に「教員を目指す立場として、この課題に向き合っていきたい」といったお話ももらって、若い方にも志を共にする仲間が出来たことをうれしく感じていました。

充実した4か月間の中で、不登校の施策を進めるための仲間がたくさんできた事、政策としての観点を整理できたこと、そして何よりも区や都に提案をして新たな事業の芽を植えることが出来たことが大きな成果となりました。

これは一歩目にすぎませんので、引き続き「子どもたち一人一人が
大切にされていると実感し、希望を持ち、可能性を伸ばせる、多様な学びのあり方を創る!」ことを進めていきたいと思います。


いただいたご支援は、渋谷papamamaマルシェの活動資金(イベント運営費用、取材、見守りボランティア謝礼など)として使わせていただきます。